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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 124

コーヒーメーカーのランプが点滅する。
「まぁ落ち着いて、食後のコーヒーでも飲みながら話そうか…うん僕って聞き上手?」
食後つーか俺、食ってねぇよ。ツッコミかける刹那だったが、やなくのペースに持ち込まれるのもシャクだったのであえて流した。
「今の僕の言動ツッコミ所満載なのに…才能ないねぇ」
「何の才能だっ!」
刹那に砂糖ミルクたっぷりのコーヒーを差し出すやなく。
…猫まんまの次は激甘コーヒーかよ…
「ま〜たツッコミ我慢した?」
図星と言えば否定はできない。
「僕も疲れたンだ…凍て付く程クール!なフリするの!コレ僕の本音」
やなくはこれまでにない程、真剣な視線で刹那を射抜く。
「聞きたいナ君の本音」
「…戦う、才英や誠一と共に」
真剣な表情で答えた
「たとえ銀ちゃんを悲しませることになったとしても…かい?」
「悲しませることはしねぇ」
「口ではなんとでも言えるよ?」
刹那の睨みにコーヒー片手にニヒヒッと笑う
「でもま、そんなとこが若さってやつなんだろうねぇ」
年寄りクサい事を言う
「そういえばやなくって何歳なんだ?」
「…さて、コーヒーも飲んだし出かけるか」
あ、話逸らしたな
「出かけるったって…どこへだ?」
「『限り無く近く果てしなく遠い場所』」
「は?」
その瞬間刹那は真っ暗な空間に放り出された
「ここは…」
と、横にどこかで見たことがある少年がいた
「お前は…」
声を掛けようと手を伸ばそうとすると
「僕はいらない子なんだ…」
「なに?」
「みんな僕を見てくれない…父さんも…誰一人僕を見てくれない…」
小さくつぶやくと消えた
「お前は…まさか…」
刹那の脳裏に嫌な記憶が蘇る
「お前なんか死んでしまえ」
「鬼の子」
声が忘れたと思っていた記憶を蘇らせる
「うっ…やった…僕を殺そうとするからだ…」
血にまみれた少年がつぶやく
「右手…動かないや…」
そのまま倒れこんだ
「やめろ…やめろ!!」
叫んだ、力の限り
「うぅ…もう駄目かな…左目も見えないし…足もうまく動かない…」
全身傷だらけ、腕も折れているのか曲がりかたがおかしい
「死にたくない…誰か…」
これは過去だ
忘れたと思っていたつらい過去…
いや忘れたいと思う過去だ
「死にたく…ないよぅ…」
少年が泣き声混じりにつぶやいた

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