PiPi's World 投稿小説

香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 120
 122
の最後へ

香港国際学園 122

いきなり開け放たれたドア、そこに立っていた女生徒…桐生悠里だ。
「…後で『くっつける』…やれ!」「失礼するね!」
…その意図を理解した悠里が黒コートからククリ刀を抜き放つ…
…ごしゃっ…
肘間接から切断される腕…腕一本と引き換えに元斎から逃れる 銀城が叫ぶ。
「刹那っ!やれっ!」
「くそっ…!腐らせてやる!!」
銀城に狙いを定める元斎だが、それは甘かった。
銀城にも意地があるのだ。
「おりゃあ!」
「う、わっ!」
ただの体当たり。だが今の元斎を怯ませるには十分だった。
そして
「があああっ!」刹那の攻撃が元斎を捉えた。
結構派手に吹き飛ぶ元斎。
「あいたたた…肋骨がやられましたか…けどね、転んでもただでは起きないんですよ」
「ちぃ…っ」
刹那の拳の皮膚(っていうか甲殻)が腐り、爛れたような傷になっていた。
「一発貰って結構落ち着きましたよ。なのでもう一度言いましょう。
あなたは沢山の人の幸せを奪ってきた。僕だけに限らず。それなのにその事実を見ず、自分だけが幸せになろうとしている」ここで元斎は一旦息を吸う。だが肋骨が痛んだらしくあいたたた、と呟いた。
「つまり、あなたに幸せになる権利はないんですよ」
と、元斎は結んだのだった。
「そりゃぁ、げせない理由だぁね」
まとめた元斎の言葉に物言いをつける声が響く。殺気を含めたまま戦いの最中の二人が気配を探れば、保健室の壊れかけた扉から、白衣姿の人物が見えた。
「憎しみは憎しみを生むのみ。その飢えは同等の憎しみなんかで満足できるシロモンじゃないわさ」
淡々と言葉を綴る人物は倒れたままの銀城の傍らに跪く。
「銀ちゃん、久しぶりだぁね。臨時の保険医で白杖ちゃんは参上したよ」
微笑む人物の束ねた三つ編みが揺れる。
「身重の人間に無茶させるでないよ」
跪いたまま言葉だけを皆にかけた。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す