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香港国際学園
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園 101

「…止めろエセ教師、決心が揺らぐ」
払い退けようとすると
「…少しだけ、少しの間だけこうさせてくれ」
声が震えている、そして鼻をすする音が聞こえた
「…すまんな」
押し殺した声でつぶやくと銀城を振り返る事なく扉を閉めた
「…渡し損ねちまったな」
もう一度そうつぶやいた刹那の手には銀の指輪が握られていた
───一時間後
裏山に来たのは、才英だった……
「どうして、あんたが…刹那はどうした!」  「あぁ…ちょっと眠っているよ、弱ってたから鎮静剤で…」
そして才英の眼がスッと細まる、いつもと違う雰囲気を見に纏っている。「やっぱ、妹に殺させる…ってのは"普通の"高校生にはちょっとね……」自嘲気味に喋りながらいまだ変わらずの眼で言う
誠二は厳しい目で才英を見ていたが、溜息を一つつくと、こう言ったのだ。
「仕方ない・・・兄ちゃんから君に手を出すなって言われてるんだ・・・ここは一旦引くさ・・・」
その言葉に奈々子と絵里子もほっとした表情・・・命令には絶対服従でも、やはり気が乗らなかったようだ。
少し表情を曇らす晶を誠二は促すと、いつものつかみ所が無い笑みを浮かべて、才英の前から立ち去ったのだ。

「・・・ふひぃー!!・・・」
誠二達が立ち去って暫くすると才英はぺたんと尻餅をついてしまった。
目下、才英の最大の武器はハッタリである・・・今回も何とかそれが上手く行ったようだ。
「おつかれー・・・流石才英だ・・・」
「アタイが見込んだ男だけある・・・また惚れ直したよ!」
茂みに隠れていた悠里と眞澄が出てくる。2人はへたり込む才英を励ましたのだ。

銀城に化けた嬉舞羅ぬえが、痛み止めと称して打ったのだ。…あの後、医務室から薬を持ち出し、刹那を止めようと後を追った才英は、ばったり出くわしたぬえに頼み込んだのだ。無論いつもの刹那なら簡単に見破られただろうが、彼の身体はそれ程までに追い詰められていた。
「なぜ、助けた。一度は命を狙った相手だぞ」
目覚めた刹那が才英をにらんだ
「なんかほっとけなくて」
「テメェ…」
と、才英がぺしっと刹那のおでこを叩いた
「女の子一人幸せにできないヤツなら勝負はお断りだよ」
ニコッと笑った
「…ハッ、たしかに…テメェは二人だしな」
「そう言うこと」
二人は笑った
同じような笑顔で

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