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ファッションの学校
官能リレー小説 - 学園物

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ファッションの学校 10

「これは……」
美佳が息を呑む。
健が作ってきたのは、黒のパーティードレス。幾重にも重なったレースや、絞りの入ったウエスト…美しいシルエット。しかし、何より美佳が驚いたのはそのスカートの短さと、背中のあき具合だった。驚く美佳に健が切り出す。
「美佳がスカートとか履けなくなって、それを何とか治したい、そう思ってこのショーの参加を持ちかけたんだ。心こめて作ったんだ。着て……くれないか?」
「健……ありがとう。私、せっかく健が作ってくれた服だし、着るよ!」

二人は、お互いに作った服をまとった。
美佳は笑顔を作るが、肩が少し震えている。亮が、怖いのだ。
「大丈夫だ、美佳。俺が、ついてるから。」
「うん……信じてるよ。」


……そして華々しくショーは始まった。激しい音楽の中、登場する華麗な衣装に、学校公認のカップル達に、口笛と喝采が飛びかう。
そして、いよいよ健と美佳の番。
二人はしっかり手を繋いで、ステージに上がった。
「美佳〜ステキ〜!」
「健〜、こけんなよ〜!」
一際大きな歓声が起こる。美佳は、学校一の美脚と言われていた。最近その足は隠れがちであった為、男子の視線はその美しい脚に向けられる。
観客の中には、亮や伸二、宏明の姿もあった。
「全く…かなわないね。」
亮が肩をすくめる。
「同感。」
「悔しいけどお似合いだよな〜。」
すぐに伸二と宏明が賛同する。


大熱狂の中、ファッションショーは閉幕した。
「さぁ、お待ちかねの結果発表です!まずはモード系部門……」
つつがなく結果発表は進行していく。どの顔も、結果に関係なく充実感に溢れていた。もちろん、健と美佳もその例外ではない。
「そして、カップル部門は、神崎美佳さん、東堂健さん!!」
「ヒューヒュー!」
「やった〜、美佳ぁ!」
歓声の中、美佳と健は抱き合って喜びを分かち合う。
「健、信じられない!」
「俺もだよ!優勝なんて目指してなかったけど、やったなぁ!」
「うん!」





そして、その年の冬休み。

二人は、ショーの賞金を使って旅行に来ていた。
静閑で、各部屋に露天風呂のついた旅館……二人は初めて一緒にお風呂に入っていた。

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