奴隷調教学園 276
「たまたまこの島に遊びに来ていました」
「そうなの……」
「これ、差し入れです」
「こんな事他の人にわかってしまったらあなた達もただではすまないわよ」
美代と一枝は黙ってしまう。
「そうよね、もし私があなたの立場だったら、きっと同じ事していたわ」
「はい、皆さん、頑張ってくださいね」
「幸ちゃん、頑張ってね」
小屋の奥にいた幸が小さな声で 「はい」 と答えた。
「さあ、皆さんは早く戻りなさい」
「はい、では」
と言ったその時二人の身体を懐中電灯の光が捕らえた。
「誰だ、そこにいるのは」
そこには五人の男が立っていた。
美代と一枝はその場に立ち尽くしている、男達が二人の顔を懐中電灯で照らした。
「ごめんなさい、学園の者です」
「学園? どうしてここに、肉便器調教の事は知っているんだろ」
「……」
男達は携帯を取り出しどこかに連絡を取っている様だった。
しばらくすると、工事現場の責任者、すなわち肉便器調教の責任者がやってきた。
「この子達か」
「ええ、差し入れを持ってきた様です」
「ううん、これは明らかなルール違反だな、一応学園と相談という事になるな、まあ今日は遅いし帰りなさい、明日君達をどうするか決めるからな」
男達の視線がはしょった浴衣の裾から見えている太ももに突き刺さった。
美代と一枝が立ち去ろうと歩き出した時、二人の背中越しに肉便器の悲しそうな泣き声が聞こえ始めた。
おしっこの音も聞こえ始めた。
二人は歩きながら泣いていた。
学園の決定は単純だった、二人を肉便器調教に加えると言う事だ。
「いやっ、吉野だけ真一と帰るの、美代と一枝が肉便器にされているのに、吉野きっとおかしくなってしまう……」
吉野は大声で泣きながら、私も肉便器になると叫んでいた。
工事現場の男達は、困った顔をしている。
責任者がもう一度学園と連絡を取った。
「吉野さん、あなたも肉便器になりなさい、学園の決定です」
「はい」
責任者が真一の方を振り向き訊ねた。
「君はどうする、帰るかいそれともうちで働いていくか? そうすれば君の奴隷を見ていられるぞ、つらいだろうが……」
真一は何も言えなかった。
「……それに焼印を捺すのはやはり君の役目の様な気がするのだが」
「そ、それは」
「まあ、次の船が来るまでまだ時がある、良く考えてくれ」
「はい、分かりました」