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痴女の世界
官能リレー小説 - 痴漢/痴女

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痴女の世界 4

そう思ったときだった。不意に視界を遮られた。
そのまま軽い浮遊感を覚えると地面に叩きつけられた。
頭を大きく揺さぶられたため、軽いめまいを覚えたがそれが落ち着くとおもったよりも痛みを感じていないことに気づいた。少し酸味を帯びた柔らかいものに包まれている。姉の胸の間だった。
彼女がかるく沈黙を促すと耳を澄ませた。
どこかで人の気配がする。

夏帆姉はいつも携帯している脇のホルスターからオートマチックの拳銃を引き抜いた。
ホルスター内の弾倉数を確認すると安全装置を解除。初弾を装填させた。
かなり手慣れた動きに関心したが、俺はその拳銃がいつものガスガンでないことに気づいた。弾倉のときには気づかなかったが、かく動作を行うときに火薬の燃焼臭が漂ったからだ。
「やつら、ここに気づいたようね。」
夏帆姉が言った
「ここって?」
俺の質問に不適な笑みを浮かべながら、夏帆姉が答える。
「あなたの送ったプログラムよ。中和データがなければ、今頃私たちツガイながら殺されているところね。」
俺は背中に冷たいものが走るのを覚えた。それは、命を狙われているということか?姉にこのことがばれたことか?または、中和プログラムを知っていながら自分に好意を向けたという姉の狂気によるものか、はっきりしたことはわからないが、おそらくはすべてであろう。
「その道のプロであれば、すべての出入り口はふさがれているわね。」
「ど、どうするの?」
姉の夏帆は子供のするような嫌な笑顔を作った。
「これなーんだ?」
彼女の手にはスプレー缶型の手りゅう弾のようなものが握られていた。
「スタングレネード?」
「そう。音と閃光で相手を気絶させる道具だけど、ここは住宅街。こんな音をさせるとどうなると思う?」
「119番通報?」
「まあ、それ以前に野次馬の巣でしょうね。」
そういいながら夏帆姉。すでに安全装置をはずしている

おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおおいおいおいおいおいおいおいおい
そのあとどのようにしてかいくぐってきたのか詳細な記憶がない。
初めて耳にする轟音の後、手慣れた指示を夏帆姉が出し、いつものように俺が従っていたというだけだ。
ようやく実家の様子を客観的に知ることができたのは、離れたところに用意してあった、バイクに乗り、夏帆姉の背中につかまりながらラジオを聞いたときだ。
「あ、これ全国放送だ。」とポツリを俺はこぼした。バイクの音にかき消されそうなわずかな単語から、大騒ぎになっている家の情報をひろう。
「そうだね。」と夏帆姉が答える。
どこまでも続く海岸沿いの道を走りながら、うっすらと赤身を帯びてきた海と空の境界線をぼんやりと眺めている。
「夏帆姉。ごめん。俺、こんなことになるなんて思ってなかった。」
軽く嗚咽を交えながら俺は夏帆姉に謝罪した。

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