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ボテ腹法『ボテ腹は世界を救う』
官能リレー小説 - 孕ませ/妊婦

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ボテ腹法『ボテ腹は世界を救う』 1

西暦が終わり新西暦に為ってから、新しい国や色々な問題やらが蔓延る世界であるが、まぁ人類は普通に暮らしているだが、少子化は免れてはいなかった。そこで、新西暦と為った時から一つの法律が世界の暗黙のルールとなった。その法律は、言うより見て貰った方が早いだろう

空は晴天で清々しい朝、目が覚めて身体を動かしながらテレビを点けニュースを見る。いくら時代が変わっても、朝のひと時は変わらない。が、新西暦に為ってからは少しだけ変わってしまっていた。それは、まずテレビの中でニュースを伝えている女子アナの腹部を見れば良く分かる。
見事なまでの臨月腹。その中には2つの命が目覚めの時を一日千秋の思いで待ちわびている。
普通、あそこまで大きくなったら出産に備えて入院していてもおかしくない。
なのにテレビの中の女子アナは、自分が妊婦だと気づいていないかのようにニュースの原稿を読んでいた。

「それでは次のニュースです・・・うっ!?」

すると突然、ニュースを読んでいた女子アナの声色が変わった。
いったい何事かと首をかしげていると、ニュースの画像がスタジオ画面に切り替わる。
そこではまるで水をぶちまけたかのように濡れたイス。床。
そしてセットの前でM字に足を開き、横たわる女子アナウンサーの姿があった。
そのまわりでは番組のスタッフらしきものたちがあわただしく動いている。

「番組をご覧の皆様にご報告いたします。
 ただ今妊娠中の藤井アナウンサーが破水いたしました。
 そのため番組の内容を一部変更し、これより藤井アナウンサーの出産生放送を放送いたします」

臨月寸前まで働いているのもアレだが、番組スタジオで出産を生放送するなんて常識ではありえない。
だがそれは新西暦前の話。新西暦となった今の時代、こんなことは日常茶飯事であった。
スタッフは慣れた手つきで出産の準備を行い、番組の出演者たちは当たり前のようにアナウンサーを励まし、出産を促す。
今や助産婦のスキルを持つことなど当たり前。
むしろこれくらいできなければ、世の中を渡っていくなど到底できない。
なぜなら新西暦を迎え、施行された法律は通称『ボテ腹法』と呼ばれる少子化防止法。
女性は子供を産めるようになったら毎日のように性交を繰り返し。
腹のあく暇もないほど子作りしなければならないという、少し前ならば信じられないような世界なのだから。

「あら、また公開出産?
 ボテ腹法のおかげで少子化に歯止めがかかったのはいいけど、こうも毎日公開出産が続くのはちょっと困るわねぇ。
 これじゃあいつも見ていた朝ドラが見れなくなっちゃうわ」

テレビ画面の向こうでいきむ女子アナを見ていると、ふいに背後から声がした。
振り向けばそこには空の洗濯カゴを持った母の姿が。
どうやら洗濯物を干して戻ってきたところらしい。
自分を産んでもう20年は経つのに、その外見は実年齢よりはるかに若い。
30代と言っても信じてしまいそうなほどだ。
そしてその腹部はあの女子アナウンサーと同じくポッコリと膨らんでいる。
頻繁に妊娠と出産を繰り返しているせいで女性ホルモンが活発になり、若返りでも起こしているのだろうか。
ボテ腹法が施行されてから徐々に話題となりつつある女性の若さの謎について、そんなことを考えていると。
母がテレビから自分に視線を移して挨拶ついでに今日の予定を聞いてきた。

「おはよう、和俊。今日は何時から授業があるの?」
「ん?今日の講義は10時からだね。
 まあどうせ途中でいろいろ絡まれるだろうから、早めに出るけど」

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