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村の花嫁
官能リレー小説 - 孕ませ/妊婦

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村の花嫁 2


村に入ると村の男達が集まって来て恵美を見て口々に言った。
「うわぁ〜!若い娘っ子だべ〜」
「別嬪だなぁ〜」
「生娘かのう?」
「見てみぃ!デカくて良い乳をしとる」
「尻もデカいから元気な赤ん坊を産むべよ」
彼らの好色そうな会話は恵美の耳にも入る。
(何なのよ!?スケベな村人達ね〜!)
村の中央に他の家より立派な門構えの屋敷が建っていた。村長の家だという。恵美はそこに連れて行かれた。

「娘さん、良く来られた。ワシがこの村の村長をしておる山田 権兵衛と申す者じゃ」
白い髭を生やした、いかにも好々爺然とした老人が現れて言った。
「…あ!岡 恵美です。あの、さっそくで申し訳無いんですが、麓の町に連絡したいので電話を貸していただけますか…?」
「そんな物は無い」
「…!?」
いや、もしかしたら…とは思っていたが、まさか本当に無いと言われるとは思っていなかった。
「あ…あのぉ…それじゃあ里と連絡を取る手段とかは…?」
「無理じゃ。この村に来たが最後、一生村を出る事は出来んのじゃ」
「はぁ!?何言ってんの?」
思わず声を荒げる恵美。
「信じられんのは解るが、これは紛れもない事実じゃ。この村は昔から、なぜか外界と隔てられておる。外の人々はこの村の存在すら知らぬのじゃ」
「あのね、おじいちゃん。今は人工衛星が世界中の空の上を飛んでて、日本の地理で把握されてない場所なんて無いんだから。誰にも知られてない村なんて存在してないの」
「お前さんが何と言おうと出られんもんは出られんよ。外の世界に帰る事は諦めて、大人しくこの村の住人となれ」
「そんな馬鹿な…!」
抗議しようとした恵美の言葉を遮って権兵衛は続けた。
「まあ、いきなりこんな事を言われても信じられんじゃろうがのう…皆そうじゃ。お〜い!綾乃!」
「はい…」
権兵衛が呼ぶと、一人の女性が現れた。外見は恵美よりも5〜6歳ほど上に見える。着物姿の似合う美しい女性だが、妊娠しているらしく大きなお腹を抱えていた。
「この娘さんに風呂と食事を用意してあげなさい」
「はい、かしこまりました」
綾乃と呼ばれた女性は権兵衛に向かって三つ指をついて丁寧に頭を下げた…。

「あぁ〜…生き返るぅ〜…」
恵美は湯船に身体を沈めながら呟いた。あの後、綾乃の案内で客間に通さたのだが、何もする事が無いので仕方なくボンヤリたたずんでいると綾乃がやって来て「お風呂の用意が出来ました」と言うので、有り難く入らせてもらったのだ。

大人が何人入ってもまだ余裕のありそうな大きな湯船につかりながら恵美は先ほどのことを思い出していた。

「まったく・・・一生村から出られないとか存在を知られていない村とか・・・。
 この科学万能の時代に何を言ってるのよ。ナンセンスな・・・。
 あのおじいちゃん、もしかしてもうボケてるのかしら?」

まったく何を言っているのか。
恵美はそう思いながらお湯をすくって顔を洗う。
まぁあのスケベな村の男たちや、わけのわからないことを言う権兵衛のこととか多少不愉快なこともあったが。
この村に来れて、本当によかったと恵美は思った。
遭難した時はこのまま死ぬんじゃないかと、一時は本当に心が折れかけた。
それがこんな人里にたどり着けただけでなく、こんな手厚い歓迎を受けるなんて。
まったく嬉しい誤算であった。
後はこの村から出て町に帰れば、またいつもの生活に戻ることができる。
・・・と。そこまで考えて、恵美は一緒に山に入ったサークル仲間たちのことを思い出した。
自分は運よくこの村にたどり着けたが、他のみんなは大丈夫だろうか?
登山サークルには屈強な男たちがいるものの、その中には何人か女性もいる。
特に内向的な性格の自分を変えたくてサークルに入った、友人のさゆりのことが気がかりだ。

(さゆり・・・大丈夫かしら・・・?
 あのコ、私以上に山のこと知らないから・・・。
 私みたいにメンバーからはぐれていないといいんだけど・・・)

などと仲間たちのことを考えていたその時だった。

「失礼します。お湯加減のほうはいかがでしょうか?」

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