PiPi's World 投稿小説

小説『ファー・ミリア王国の人々』
官能リレー小説 - アブノーマル

の最初へ
 0
 2
の最後へ

小説『ファー・ミリア王国の人々』 2

もっとも建国から約300年が経過した現在では、この制度も制定された当時ほどの厳格さは無くなっている。
このサーヴァント家のように功績のあった平民が士族に昇格する事もあれば、増えすぎた王族が地方に領地を与えられて貴族に降格するという事もある。そういう場合には王家の直轄地の一部が割譲されるのだが、逆に後継者が居なくて断絶した貴族の領地は王家に返還されるので、王家の領地が減る一方という事は無かった。
また、ファー・ミリア王国は300年の間に幾度もの対外戦争を経験しており、そこで武功を立てた士族に対して“領地を伴わない称号のみの爵位”を与えて貴族に昇格させる例も多々あった。また、平和な時代が長く続くと大商人や大地主など平民の中に領地持ち貴族をも凌ぐ力を持つ者も現れ、公式の身分と実際の権威・権力が必ずしも合致しなくなってくる。
こうして時代が下るにつれて身分制度は緩やかに崩壊して形骸化していった。だが、身分による性的奉仕の権利と義務だけは何故か変わる事無く脈々と受け継がれてきた…。

「…してクルスよ。さっそくだが今夜のベッドを共にする相手はもう決めているのか?」
「え…!?」
父に尋ねられたクルスは思わず顔を赤くした。士族以上の者は性的奉仕の権利および義務が生じる12歳を迎えると早々に童貞・処女を捨てるのが通例だった。いつ自分より上の身分の者から性的奉仕を求められるか分からないのだ。もし自分より下の身分の者に気に入った相手が居るならば、どうせならその者に性の手ほどきを頼みたいではないか。

「ぼ…僕はまだ、その事については何も考えていなくて…」
「そうか。まあ急げとは言わんが、なるべく早く済ませておいた方が身のためだぞ。家で働いている使用人でも村の娘達でも選びたい放題なんだからな」
「あらあら…あなた、クルスが困っているじゃありませんか。おふざけも大概になさいませ」
「そうよ、クルスはお父様と違って女性に対して奥手ですからねぇ〜」
母と姉のメアリーが笑いながら言った。ちなみにクルスよりも2つ年上の姉メアリーも12歳の誕生日を迎えた当日に意中の村の青年に処女を捧げていた。

(最初の相手か…僕は……)
クルスの頭の中には一人の女性の顔が思い浮かんでいた。恥ずかしくて家族には言えなかったが、実はクルスには初めての相手にと心密かに決めていた女性がいたのだった…。

その夜、屋敷の皆が寝静まった頃にクルスの寝室にノックの音がした。
「ど…どうぞ…」
クルスが言うと、寝室のドアが静かに開く。現れたのは、メイド服に身を包んだ一人の妙齢の美女だった。
「クルス坊ちゃま…」
「マリア…来てくれたんだね」
彼女の名はマリア。この屋敷で働くメイドの一人で、歳はクルスより20も上の32になる。彼女はかつてクルスの乳母だった女性で、クルスの成長に伴い、そのまま養育係となって現在に至る。
クルスはマリアの事が大好きで、10歳になるまで毎晩添い寝をしてもらい、彼女の乳房を弄って寝ていたのだった。
「マ…マリア…今夜来てもらったのは…分かってるよね?」
「坊ちゃま…本当に私などでよろしいのですか?この屋敷には若いメイド達が何人もいます。村に行けば坊ちゃまと同じ年頃の娘達も…」
「いや、マリア。僕は君が良いんだ。マリアは僕と…その…男女の交わりをするのは嫌かい?」
「とんでもございません!…ただ、私は坊ちゃまが赤ちゃんの時からずっと面倒を見させていただいて参りました。その坊ちゃまと、そういう事をするのは…その…何とも妙な気分で…」
「マリア、僕の初めての相手になってくれるね…?」
「…はい、坊ちゃま。ご奉仕させていただきますわ」
そう言うとマリアはエプロンを外し、服のボタンを上から一つずつ外していった。
ぷるん…と柔らかそうな乳房が顔を出す。片乳だけで彼女の頭ほどもある大きな乳房だ。乳首も大きい。次にメイド服がパサリと足元に落ちる。豊満ながらも均整の取れた美しい肉体が姿を現した。
「綺麗だ…マリア…今までは胸しか見た事が無かったけど…」
「あぁ…坊ちゃまに裸をお見せしていると思うと…私、妙な気分でございます…」
マリアは恥ずかしそうに顔を赤らめて胸と股を隠した。ファー・ミリア王国の人々は基本的に下着を付ける風習が無い。ゆえに彼女が今身に付けているのは、メイド用のヘッドドレスと腿までを覆う白いレース付きの靴下と靴のみ。全裸より遥かにエロチックな格好をしている。
「マリア、こっちへ…」
「はい、坊ちゃま…」
クルスが手招きするとマリアはベッドの上に上がり、そのままクルスの上に覆い被さるような体勢になった。

SNSでこの小説を紹介

アブノーマルの他のリレー小説

こちらから小説を探す