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小説『ファー・ミリア王国の人々』
官能リレー小説 - アブノーマル

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小説『ファー・ミリア王国の人々』 1

※この作品は、以前「その他」にて投稿していた『ファー・ミリア王国の人々(旧版)』のリメイク版です。「アブノーマル」が出来たので、こちらで投稿しなおしたいと思います。旧版と一致するのは、基本設定だけになります。



 こことは異なる世界、とある大陸の北西端に、その国はある。

 その国では、国王を頂点とした身分制がしかれており、人々が出生と功労により、王族・貴族・士族・平民に振り分けられる

 その国最大の特色は、「身分の高い者に性的奉仕する義務」「身分の低い者に性的奉仕させる権利」が国法に明記され、国じゅうに浸透していることである。


 つまり、その国の王族は貴族・士族・平民に性的奉仕させる権利を有し、

貴族は王族に性的奉仕する義務と、士族・平民に性的奉仕させる権利を有し、

士族は王族・貴族に性的奉仕する義務と、平民に性的奉仕させる権利を有し、

平民は王族・貴族・士族に性的奉仕する義務を負う。

 他の身分制国家でも、身分の高い者が低い者に性的奉仕を強要することはよくあるが、臣民の義務と権利として明文化されているのは、その国ぐらいのものである。

 しかし、その国の臣民は、自分たちを不幸だと思っていない。
 なぜなら、その国では性的奉仕と公職関係を除けば、身分の垣根がものすごく低いからだ。


 例えば、酒場で貴族の男と平民の男が酒を酌み交わしたり、

洋服屋で貴族の女と士族の女が談笑したり、

空き地で平民の子と士族の子と貴族の子が遊んだり、

といった光景が、その国では日常茶飯事となっている。
 また、他国では身分が高い者への不敬・無礼とされる行動も、その国では単なるコミュニケーションで済まされており、貴族が平民に小突かれたり、王族が平民に叱られることもある。



 王族・貴族・士族・平民が対等………に極めて近い関係にある。

 これが、『ファー・ミリア王国』の臣民が誇りとするところである。

 このように特異な国ゆえ、他国との交流は乏しい。
 特に大陸東部の大海に浮かぶ島国では、ファー・ミリア王国の情報は断片的にしか入ってこない。

 だが、島国の作家たちは想像力をフル回転し、ファー・ミリア王国を題材にした小説をいくつも発表してきた。

 これから記される『ファー・ミリア王国の人々』という小説も、島国の作家たちによる努力の結晶の一つである。

〜〜〜〜〜


ここでは一人の少年の目線を通して、このファー・ミリア王国の人々の暮らしを見ていく事としよう…。

「誕生日おめでとう、クルス」
「おめでとう」
「おめでとう、クルス」
「ありがとうございます!お父様、お母様、お姉様」
ここはある士族の屋敷。父、母、娘、息子の四人の一家が食卓を囲んでいる。卓上には豪華な料理が並んでいた。今日はこの家の長男クルスの12歳の誕生日なのである。
「クルスよ、我が国の国法に則り、本日よりお前も性的奉仕の権利と義務を負う。これは分かっているな?」
「はい、お父様」
「知っての通り、我がサーヴァント家は代々この村の村長を務めてきた。つまり平民だったのだ。それが私の父…お前にとっては祖父の代に、貴族である領主と平民である村人達との間に起きた諍いを両者の間に立って穏便に収めた功績により、士族の身分を賜ったのだ」
「分かっています、お父様。その話なら毎日耳にタコが出来る程聞かされていて良〜く存じています」
「まあ良いから聞け。そういう訳で士族であるお前には12歳となった本日より“平民に性的奉仕をさせる権利”と“王族および貴族に性的奉仕をする義務”が生じる」

士族とは言うなれば“準貴族”であり、性的奉仕以外には“家の紋章を持つ権利”、“帯剣する権利”、“戦時に従軍する義務”など貴族と同等の権利と義務を有する。

昔、この地域は複数の有力氏族が割拠していた。その頃には人々の身分は不明確で流動的な物だったのだが、これを統一した初代ファー・ミリア王は身分制度を定めて人々を明確に分けた。

まず王とその一族を“王族”とした。これは言うまでも無い。
次に各地の氏族の内でファー・ミリア王に従った者達、およびファー・ミリア王の臣下の内で特に功績を上げて領地を与えられた者達を“貴族”とした。彼らは功績や家柄によって公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の五等級に分類され、領地を持つ事を許された。
その貴族に臣下として仕えていた騎士や兵士達、いわば世襲の職業軍人とでも言うべき者達を“士族”とした。士族に帯剣が許されているのは戦士階級であった名残である。
最後に王族および貴族の領内に住み、彼らの統治下に属する領民達を“平民”とした。彼らは納税の義務を負うが、その代わりに庇護の対象となる。また士族のように戦時の従軍義務は無い。

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