変わりゆくキミと 16
ベビーカーに詩織を乗せて、遊歩道を家族三人で散歩する。
太陽の光を浴び、風を感じると悶々としたモノも収まってくる。
途中でパン屋により目的の公園に着くとベンチで少し遅めのお昼ご飯をとる。
「学校行ってた時みたいだね」
「そうだね」
詩織を抱き哺乳瓶でミルクをあげる文乃の口元に一口サイズにちぎったパンを近づける。
「美味しいっ」
「フミちゃん昔からここのパン好きだよね」
もともと口数が少なく意思表示の苦手な僕たちらしい穏やかな時間が過ぎていった…
そして家に帰るとお散歩で疲れた詩織は直ぐに寝てしまう。詩織をベビーベッドに寝かせると僕たちもベッドになだれ込んだ…
「ケイちゃんってばもうガッチガチだよ?」
「フミちゃんだって、直ぐに入れられるくらいグチョグチョだよ?」
互いに見つめ会い互いの性器を触りながらキスをする。
「ん、んん…しよっ」
文乃はコンドームを手に取り僕のモノにつけると自分のアソコにあてがう。
「フミ…ちゃん…」
導かれるまま腰を推し進める。
「ああん、イイのぉ。一日中お預けだったから入っただけでイっちゃいそうなの」
「僕もだよ…でももったいないから少しこのままで」
挿れたまま文乃をぎゅっと抱きしめキスを続ける。
「ケイちゃんを感じるの…」
暫くつながったままでいると文乃の声が艶っぽくなりもぞもぞと腰が動き始める。
「欲しくなっちゃった?」
僕が訪ねると文乃はコクりと頷いた。
僕はゆっくり時間をかけたピストンで文乃を責める。
「ああん、イジワル…もっと激しくして欲しいのに…」
「ダメ、もっとフミちゃんとつながってたいから。」
昨日は散々絞り取られてしまったから出してしまったらもう勃たないと思うので文乃が何を言おうが僕はゆっくりペースを譲らない。
30分くらい挿れたままで文乃のアソコを堪能していると様子が変わってくる。
「お願い…もっと激しくしてぇ…ずっと軽くイッてて切ないの…おかしくなっちゃうぅ」
昨日は望愛に責められ続けたし、先週もほとんど手コキだったから気を使って僕のやりたいようにやらせてくれてたのだろう。
「わかったよ。フミちゃんのしたいようにしていいよ。」
「ヤダ、ケイちゃんにして欲しいの…ねぇ、後ろから激しく犯して欲しいの」
文乃の望み通り後ろから突く。
望愛に望まれやった事はあるけれど、文乃とこの体位でするのは初めてだ。
「ああん!スゴい…焦らされて敏感になっちゃってるからキモチ良すぎるぅ」
腰を掴みパン!パン!と腰を叩き付ける旅に文乃は髪を振り乱し獣のように声をあげる。
そして、僕たちは絶頂をむかえた。
一戦終わってズボリと肉棒を抜く。
そしてゴムを取って無造作に投げ捨てる。
そして息を整えていると、尻を震わせる文乃が息を荒げたまま振り向いてくる。
その表情にゾクリとした。
「ああ・・・まだ・・・足りない・・・」
切なげな文乃の顔に僕の肉棒がビクリと反応する。
もう限界だと思っていたのに、ムクリと起き上がってきたのだ。
「たっくんだったら・・・」
ボソリと呟く文乃。
拓実の名前が出た瞬間、身体の内側がカッと熱くなってきた。
そして、肉棒がムクムクと膨らんでくる。
「アイツにっ・・・」
感情が爆発して文乃の背後からのしかかり、胸を強く鷲掴みしてしまう。
「んいっ?!ケイちゃんっ!」
少しビックリしたような文乃の反応。
自分でも訳が分からなくなるぐらい興奮していた。
肉棒は嘘みたいにガチガチに勃起し、僕の脳内は文乃と交わる事しか考えられなかった。
そんな僕が片手でゴムに手を伸ばして取ろうとすると、文乃がその手を握ってきた。
「フミちゃんが拓実の名前なんて出すから悪いんだ!」
僕は文乃の手を振り払いゴムを着けると物欲しそうに震える文乃のお尻を掴み後ろからまた挿入する。
「ああん!ちが…はぅ!そのま…まで、おぉん!」
文乃が何か言おうとしているけどそれを聞く余裕なんて今の僕には無い。
「クソ!クソ、クソぉ…」
怒りなのか嫉妬なのか何か理解できない感情をぶつけるように文乃も犯す。
必死に腰を振りながら頭の中は今の感情についてグルグルと思考が巡る。
拓実が憎い?
文乃が悪い?
違う…文乃を満足させられ無くて悔しい。
文乃を満足させられない僕が悪いんだ。
このままじゃ文乃を取られてしまうのでは…
このままじゃ文乃に捨てられてしまうのでは…
「僕ももっと上手くなるから…フミちゃんを満足させられるようになるから…」
自分の不甲斐なさに気がついた僕は涙を流していた。
「捨てないで、離れないで」
僕は文乃にすがるように泣いていた…