「いい？」
指を抜かれて、馬野が腿を持ち上げるようにして咲子の身体を引き寄せる。顔を反らしながらも、咲子はコクッと小さく頷いた。
「あ、はああぁぁ…」
そのまま当たり前のように、避妊具を着けずに馬野の男根が侵入してくる。痛みがまだ少しあったが、それ以上の気持ち良さに熱い息が漏れてしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ、」
「あぁ…ん…あっ、あぁ…」
ゆっくりと腰を前後に動かされて、声が出てしまう。足首を掴まれて大きく脚を開かされて、横へ流れるように広がった柔らかい乳房がユサユサと揺れる。
「はぁ、はぁ、やっぱ咲子ちゃんのナカ、凄い気持ちいいね…最高だよ。」
「あぁっ、そ、そうなんですか？あんっ、あっ、あっ、」
彼以外の男に、そんな事を言われるのは複雑な心境だったが、誉められれば悪い気はしない。今度は閉じさせられた脚を抱き込む形になり、足の指まで舐められる。
「あぁ、やだ、汚い、くすぐったいです、」
「んっ、いいから。咲子ちゃんの全身は私のモノ。」
昨日まで他人だったくせに、咲子は自分の所有物と言わんばかりの馬野。そして脚を押し上げられて、結合部が見えるようになる。
太く長い男根が自分の秘部にゆっくりと出し入れされるのを見て、咲子は更なる興奮に頭が真っ白になりそうだった。
「はぁ、はぁ、今、どうなってる？」
「あんっ、あぁ、どうって…あん…ち、つないに、男性器が…あんっ！」
いきなり強く突き入れられて、軽い絶頂を迎えてしまう。
「はぁ、はぁ、違うでしょ？もっとわかりやすく。」
「うぅ…はぁ…馬野さんの、おち○ぽが、おま○こに出たり入ったり…あぁっ、あぁっ、」
卑猥な言葉を言わされると、身体の奥深くまで蹂躙されているような感覚になる。馬野は荒い息で腰を動かしながら、咲子の様子を見て楽しんでいるようだった。
「もっと、詳しく、はぁ、はぁ、どんな感じ？ほら、言え。」
徐々に激しくなる腰使いに、ベッドがギシギシと軋む。咲子は枕を掴んで、快感で蕩けた表情を向けた。
「あっ、あぁっ、おま○こ、強く擦られて、あぁ、生のおち○ぽが奥に当たりますっ、あっ、あっ、」
「んっ、はぁ、咲子ちゃんは？どうなの？」
「あぁんっ、気持ちいいっ、セックス気持ちいいですっ、あぁ、あぁ、」
自分の言葉に興奮して、咲子は再び絶頂を迎えた。身体をヒクつかせて、枕を掴む手に力が入る。
「はぁぁ、咲子ちゃんイキ易い体質なんだね。男を喜ばすいい身体だ。」
「はぁはぁはぁ、そんなつもりは、あんっ、あぁんっ、あんっ、んんっ！ちゅくちゅく…」
抱き着かれて、ねちっこく濃厚なキスを交わしながら、馬野の背中に腕を回した。荒々しくピストンを繰り返す下半身が、射精が近い事を示している。
「はっ、はっ、お腹に、出すから。」
「はいっ、はいっ、あんっ、あっ、あっあっあっあっ！出してっ、出してっ、あぁああんっ！」
何も考えられず、強引に連れて昇らされるような絶頂に合わせて、馬野は勢い良く引き抜いた。
馬野が男根をシゴいて、熱く大量の精液を下腹部へドバドバと射精している。肩で息をしながら、咲子は濃厚な精液で自分が汚されていくのを見ていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、外に出してくれると思いませんでした…。」
言葉にならない快感の中で呟くと、ドロドロの精液を下腹部から乳房まで塗り込むようにマッサージしてくる。
「あぁ…匂いがとれなくなっちゃう…」
「婦人科は行かなくていいよね？夜まで楽しもうか。」
彼の顔を打ち消すように、馬野が顔を近付ける。咲子は首に腕を回して、返事の代わりに自らキスをした。
その後の咲子は、転がり落ちていくだけだった。
婚約中の自分が、素性も解らない相手と浮気をしている罪悪感と背徳感。現実を忘れたように、今の咲子にとって婚約者の存在は、興奮材料としての一つとして大きく占められてしまっていた。
流されるままに、二回、三回と何度も身体を重ねて、ベッドから一歩も踏み出す事のない時間が過ぎていく。生や中出しに対しての抵抗も徐々に薄れていき、咲子自身も妊娠のスリルに痺れるような快感を見出だしてしまっていた。婚約者でなく、馬野の精子で子供が出来てしまう事への背徳感に、酔いしれてしまっている。
日も暮れて、さすがに腰が疲れたと話す馬野。布団で胸元までを隠した咲子の肩を抱いて、彼氏用の灰皿を使って煙草を吸っている。
「寝タバコはダメなんですからね。」
最初に抱いていた嫌悪感は何処へやら。馬野に寄り添うようにしながら、咲子が見上げる。
「わかってるよ。そういえば、時間はいいの？」
時計の針は、１９時を過ぎていた。
「あ…」
「待ち合わせ？」
「はい…」
一気に現実へ引き戻される。何をしてたのか、携帯は鞄の中だ。彼と食事に行く約束を思い出して起き上がろうとしたら、煙草の火を消した馬野がギシッと小さくベッドを軋ませて身体に被さってくる。
「あ、待っ…」
「いいじゃん、今日は会わなくて。」
「でも、せめてメールだけ、あ…また…あぁ…あっ、はぁあ…」