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馬野
官能リレー小説 - 寝とり/寝取られ

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馬野 23

暫くの間、最悪な予想を消そうとクラクラする頭で必死に理由を探したが、ダメだった。玲美は浮気している。自分に言わず、本気で。
悲しみとか、嫉妬とか、嫌な感情ばかりが沸き上がってくる。それなのに、玲美の裏切りに、これ以上無いくらいの強烈な興奮が、脳を痺れさせてしまい勃起が治まらない。
馬野に対しても、先程まで目が熱くなる程の怒りを感じていたが、ただ正直に報告していただけだったと思うと毒が抜けていくのがわかる。
携帯を拾い上げた隆太は、震える指で返事を打った。
「そういえば、泊まるかもって聞いた気がします。勘違いしてました。」
玲美が離れていく。
「安心しました。出来る限り隠し事はしたくありませんので。約束通りの内容になってますからお楽しみ下さいね。」
玲美を完全に落としてみせる。と、馬野は断言していた。詳しく聞かなかった自分も悪いが、恋愛対象になるって意味だったのかと今は思う。
俺の性癖のために示しあわせて彼氏、彼女と言ってる訳じゃなく、少なくとも玲美は本当に付き合っているつもりなのだろう。
そして、その本心を玲美は絶対に言わない。自分に隠れて会ってる事が、バレてる事も知らない。
この事が、甘美なくらいに自分の脳を蕩けさせて、胸が苦しくなる。自分が玲美をどうしたいのか、これからどうなるのか、自分でもわからない。でも、一つだけわかっている事がある。玲美を失いたくない。玲美を失わないためなら、俺はどんな事でもするだろう。
冷水で顔を洗い、隆太はソファへ戻った。リモコンを持って、再生を押す。
「太一郎さん?」
「なになに?」
「入浴中も撮影するんですか?」
「サービスサービス。旦那さんも来てる気分を味あわせてやらなきゃ。」
浴衣姿に着替えて、髪を纏めた玲美が客室から露天風呂の方へ出てきた。馬野は、湯船の中から撮影しているようだ。
「カメラ、止めて欲しいです。」
「何か内緒事があるんじゃないかと思われるよ?」
ちょっと考えて、諦めた様子で背中を向けた。帯を外して、続いて浴衣をスルッと床に落とす。
「いーねー、色っぽい。チ○ポの血行が良くなってきた。」
「太一郎さんって、なんでもすぐ口に出るタイプですよね。」
呆れた様子の玲美が、手拭いのような薄いタオルで前を隠して、湯船に歩いてくる。
「正直なんだよね。見る?」
馬野がザバッと立ち上がると、玲美はジッと股間に目を向けている。
「…ほんとエッチですね太一郎さん。おヘソにつきそう。」
「ごめんね。まぁでも玲美にも責任あるよね。」
「私?」
「玲美が魅力的過ぎるから反応しちゃうんでしょ。だから玲美のせい。」
「ずるいですそんなの。」
クスッと笑って、玲美も湯船に入った。その隣に馬野も座る。
「旦那は何か言ってた?」
「特に何も。わかった〜って。」
「そっかそっか。」
「…」
「いい湯だね。」
「…はい…。」
「ん〜、ここからも切る?編集が大変になっちゃうけど。」
「…お願い…します…。」
「後で誤魔化すの手伝ってよ?」
カメラが置かれると、玲美が馬野の正面に移動して、跨がるように両肩に手を置いて身体を寄せた。
「んちゅぅ、んっ、ちゅっ、ちゅっ、」
「んっ、玲美、」
「はぁ、太一郎、本当に好きです…。ちゅっ、くちゅ、」
「んむっ、旦那はいいの?んっ、」
「んちゅ、意地悪は止めて下さい…。んん…」
密着して、自分から舌を絡ませている玲美。唇を離すと、唾液の糸が引いた。
「旦那より好きって言ってくんないんだ?」
「だって、私…あんっ…はぁ…はぁん…」
ニヤニヤと笑いながら、乳首を舌で転がしてちゅぱちゅぱと吸い付く馬野。玲美はハゲ頭を抱えるようにして、ピクピクと反応している。
「好きって言えって。ほら、」
「あっ…あっ…好き…。んっ…一番、好き…。」
「旦那より?」
「あぁ…許して下さい…はぁん…言いたくても、言えないんです…あっ…んっ…」
「二人きりだって。私達の秘密だから。」
馬野が逆の乳首に吸い付くと、玲美は身体を揺らし始めた。性器同士を擦り合わせているようだ。
「はぁ、はぁ、は、い…。隆太より、大好き…。あっ…あっ…」
見ていられなくて、咄嗟に停止を押してしまった。
今も、玲美は馬野とラブホテルでこんな風にセックスしてるのか。頭がぐちゃぐちゃになってしまいそうだ。そして、そんな玲美に興奮してしまう自分が惨めに思えてくる。
深く考える事を頭が拒否してしまったようで、リモコンの再生を押してただただ画面を眺めていた。
バックで馬野に激しく突かれている玲美。湯船の縁に座って潮を噴かされている玲美。キスしながら少女のように純粋な気持ちを伝えている玲美。
馬野の汚されて、崩れ落ちていく俺の玲美が、涙が溢れるくらいに愛しくて堪らなかった。
気付けば周囲は暗くなっており、布団に寝そべった馬野の上で淫らに腰を動かす玲美の映像が流れている。
その画面をボーッと眺めていると、ダラリと力の抜けた右手に握られた携帯が震えた。我に返ってディスプレイを見ると「玲美」と表示されている。一気に胸が高鳴った。消音にして、通話を押す。
「もしもし?」
「隆太、今晩、馬野さんと食事に行ってもいい?」
「…うん。構わないよ。遅くなる?」
「多分。してくるかもしれないから。」
「いいよ。彼氏なんでしょ?」
電話越しに聞こえるんじゃないかってくらいに、こっちの心臓の鼓動が激しくなる。

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