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馬野
官能リレー小説 - 寝とり/寝取られ

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馬野 15

「あのさ、俺にチャンスくれない?」
「チャンス?」
「アイツより、俺の方がいいって思わせて見せるからさ。そしたら…」
「わかってる?アタシ、馬野っちと別れないって言ってるんだよ?」
「だから、俺で満たせられれば、アイツとは自然と切れるだろ。」
「てゆーか子供…」
「それに関しては、俺にも責任あるからさ…。遥の考えを尊重する。」
「本気で言ってるの…?」
「冗談でこんな事は言わないって。」
「……。」
「遥、頼む。チャンスをくれ。」
テーブルに手をついて、和哉は頭を下げた。黙ったまま俯いていた遥だったが、やがて、涙声で呟いた。
「ゴメンね…。ありがとう。和哉…ほんとは不安だったから、嬉しい…」
「遥…」
遥の手を取って抱き締めると、以前と変わらない匂いがする。感触を確かめるようにしていると、猛烈な嫉妬と欲情に襲われて、その場で遥を押し倒した。

「ふむふむ。雨降って、地固まるっと。」
後日、遥から和哉と一緒に住む事になったとメールで報告されて、馬野は満足そうだった。ハゲ上がった頭を撫でながら長文を読んでいき、最後の一文を見てニヤッと笑い返信する。
「わかった。今晩ね。」
結局、遥から馬野を断つ事は出来ないだろう。和哉と毎日セックスしているらしいが、最後の一文には、ハッキリと、
「やっぱり馬野っちが欲しい。」
と表示されていた。

とある閑静な住宅街にある、新築の庭付き一軒家。
一年前に建てたばかりの新居のリビングで、一人の男がソワソワと落ち着かない様子でソファに座っていた。
男の名前は、大島隆太。28歳。
彼の妻は、大島玲美。29歳。透き通るような白い肌に、知的に整った顔立ちをしている。感情を表に出さない性格から、周囲へ近寄りがたい雰囲気を与えるタイプだ。トレードマークのような縁無しの眼鏡が、彼女を一層キツそうに印象付ける。
隆太から、半年以上に渡っての猛アタックの末にやっと付き合いが始まり、一年半後に結婚した。家事はもちろん、仕事もバリバリとこなす完璧な女性だと思っている。会話は少ないが、夫婦仲も良好と言っていい。
今現在、その妻は、ある男と二泊三日で不倫旅行に行っている。
事の始まりは三ヶ月前。
隆太には、妻にどうしても言えない性癖があった。
寝取られ願望。妻が他の男に抱かれている姿を想像すると、痺れるような興奮に襲われるのだ。
夫婦生活は、求めれば応じてくれて順調だった。子供も、自然に任せて授かればいいと話し合っている。
そんなある日の夜、夫婦の営みが終わった後、腕の中の玲美に、それとなく聞いてみた。
「玲美、他の男としてみたいとか思わないか?」
「何言ってるの?隆太、浮気した?」
疑惑の視線を投げ掛けてくる玲美。突拍子も無くそんな話を始めれば、何か勘繰るのは当たり前だろう。
「違う違う、玲美は夫婦生活に満足してるのかなぁって。」
最近、マンネリ気味なのはお互い思っている事だ。
「別に。不満は無いよ。満足してないの?」
「ちょっとマンネリ気味って感じするだろ?」
「…」
感情を表に出さない玲美だが、不機嫌になっているのは伝わってくる。
「俺さ、実は…」
そこで、隆太は自分の性癖について話し始めた。最後に「他の男に抱かれてみない?」と聞くと、不機嫌そうだった玲美は完全に怒ってしまったようで、その日はベッドから追い出されてソファで寝るハメになった。
翌日からは、もっと酷い有り様で、弁当を作ってもらえない上に一切の口を聞いてくれなかった。もう少し、オブラートに包んだ言い方をするべきだったと、その時は本当に後悔した。
二週間、ひたすら謝り続けてなんとか許して貰った隆太だが、少しギクシャクした空気も漂っていた。

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