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馬野
官能リレー小説 - 寝とり/寝取られ

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馬野 14

起き上がると、やっと自分がベッドに寝かされている事に気付いた。ここは、遥と馬野がセックスしていた場所だ。シーツも替えてない様で、気分が悪い。
「まぁ、こういう事だからさ。ゴメンね、君の彼女と中出しセックスしまくっちゃった。」
「ちょっと馬野っち!やめてよ!」
「何発だっけ?最初のゴックン以外は全部中出しだから…5回くらい?今、遥ちゃんは子宮の中までザーメンまみれだろうなぁ。」
勝ち誇ったような笑みを浮かべて、馬野が見下ろしてくる。
「…そんな言い方しないでよ…」
「あ、私達はこれからラブホに行って夜までヤリまくるから。帰る前にココから出て行ってね。」
「ひどいよ馬野っち、そんな感じじゃなかったじゃん…。和哉…」
馬野に腕を掴まれた遥が、助けを求めるような視線で和哉を見る。しかし、和哉は目を反らして動かなかった。
ガッカリした様子の遥は、そのままの姿にコートを着させられて玄関でブーツを履いている。
「それじゃ、約束通り二週間は自由にさせてもらうから。あんまり連絡して来ないでね?あと、戸締まりよろしく。」
ドアが閉じる寸前で、最後に振り返った遥の目は、笑っているように見えた。
暫くの間、閉じたドアを眺めていたが、いつまでもこの場所に居る訳にもいかず、フラフラと遥の部屋を出た。
鍵を閉める時に、合鍵を郵便受けから部屋に落とそうとしたが、遥のすがるような顔が頭を過って思い留まった。
遥は、きっと馬野に遊ばれている事をわかっている。引き留めて欲しかったんだと、今ならわかる。
嫉妬や喪失感で頭が狂いそうだったし、昨晩の光景や、ソファで当たり前のように中出しされていた遥の姿が鮮明に甦ったが、馬野を殴ってでも遥を止められ無かった俺にも責任があるんだろう。元々は自分が始めた事なのだ。
合鍵を握り締めて、俺は自宅に帰った。

翌日、遥がバイトを辞めたと聞いた。いきなりで店長が酷く怒っていたが、俺は知らないフリをした。そりゃそうだ。あんな出来事があって、同じ職場で働ける訳が無い。バイト中も、遥と馬野のセックスがフラッシュバックして、軽い吐き気がした後、すぐに興奮が襲ってくる。二度と会いたくないとか、謝ったら許してやるとか、この事に関しての当たり前の考えが出来なくなっていた。
「(ただ遥に会いたい。)」
だが、自分から連絡するのだけは違う気がする。それだけは譲れない。
バイト以外は外出せずに、引きこもるような生活が続いたある日の夕方、馬野からメールが届いた。
「これに懲りたら、彼女をダシに使うような真似は二度としない方がいいよ。ご馳走様。」
そうか、今日できっちり二週間。馬野は、律儀に終わりを報告してきたのか。もう、遥が自分の彼女なのか判断が出来ないが、渡舟だと思った。
「遥は、どうしてます?」馬野に聞くのも変な話だが、素直に送った。
「今はシャワーを浴びてるね。二週間の間、住み込みでヤリまくったよ。あんまり趣味じゃないけど、お尻の初めても貰った。めちゃくちゃ変態で最低な生活を送らせてもらったよ。いい経験になった。」
返信を見て、あの日の光景が鮮明に甦った。腹の底から、例のわからない何かが込み上げてくる。遥は、どんな生活をしていたんだろうか。震える手で、画面を見つめていると、さらにメールが入ってきた。
「私は帰るから、会って遥ちゃんに謝るように。」
思わぬ内容のメールに、戸惑っていた頭が、さらに混乱した。確かに、俺の落ち度もある。しかし、俺にだけ一方的な謝罪を求めるのは違うんじゃないか?
馬野に返信せずに、遥のアパートへ急いだ。
部屋のドアを合鍵で開けて、遥の部屋に入る。ブーツは脱ぎ散らされていて、テーブルの横に座った遥が目を丸くしてこちらを見ていた。
「和哉…?」
「あ…遥…あの…」
なんの言葉も用意してなかった事に気付いて、口ごもってしまう。
「馬野っちは帰ったから居ないよ。入って?」
遥に促されて、向かい合うように座った。
「ゴメンね。」
「いや、俺は…」
「アタシ、出来てたら産むつもりだからヨリは戻せないよ?これからも会いたいって言われたら会うつもりだし。」
いきなりの突き放した言葉に、和哉は面食らった。
「なん…で…?」
絞り出すような声で問い掛けると、遥は俯いた。
「欲しいって思ったから。」
「子供が?」
「うぅん、ちょっと違うかな。」
「じゃあ…なに…?」
「わかんない…。馬野っちに欲しいって言われちゃうと、アタシも欲しいって思えてくるっていうのかな。」
「好きなの…?」
「多分…」
「俺より?」
「わかんない…」
だんだんと苛立ってきた和哉は、コツコツと机を指の爪で叩いた。
「どうすんの?一人で育てんの?」
「そのつもりだけど?てかそれに関しては和哉があーだこーだ言う資格は無くない?」
「はぁ?」
「だって、元々は和哉がアタシ達を引き合わせたんでしょ?アタシも浮気した立場だけど、こうなる可能性は充分あるって馬野っちからしつこく言われてたらしいじゃん。」
確かに、馬野から何度も念を押して聞かされた。万が一の場合も、覚悟しとくように。と、念書まで書かされている。
「でも、一人で育てるったって…」
そう言うと、遥は封筒をテーブルに置いた。取り出してみたら、帯がされたままの札束だった。
「子供に会わせてくれるなら、普通の生活は保証してくれるって。コレは当面の生活費にって置いていってくれた。」
馬野は何者なんだろうか。大金をポンと出せる程の金持ちなのか?
「あの、さ。どっちの方が好き?」
「何が?」
「俺とアイツ。」
真っ直ぐに遥を見つめる。
「わかんない。でも、エッチは断然に馬野っちだよ。自分に凄く魅力を感じてくれてるのを、言葉や態度でハッキリ示してくれるし。女として満たされるって言うか。」
このまま、負けたままでは居たくない。嫌な記憶ばかりが甦るが、和哉は賭けに出た。

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