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良きオスはシェアするが吉
官能リレー小説 - ラブコメ

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良きオスはシェアするが吉 7

新海瀬奈ちゃん。
結衣ちゃんとは同い年、将棋界に現れた天才美少女棋士。
多彩な戦法を操りタイトル戦でも連戦連勝。
その一方であまりにも自由奔放すぎて、そのタイトル戦でコスプレで対局に挑むなんて言うとんでもないこともやってたりする。
そして、先日直前に控えたタイトル防衛戦の会場に姿を現さず、失踪。


こんな場所で2人と出会えたことは、ファンとしてはそりゃあ嬉しい。
しかし、2人が抱え込んでいる闇、のようなものを考えると複雑な気持ちがある。
結衣ちゃんにも瀬奈ちゃんにも、元居た世界でもっと輝いてほしいという思いもあるのだ。

「りっくん、流石だね。あたしのファンを公言してくれてるだけある」

俺が持ってる情報は、あくまで週刊誌とかネットでの噂にしか過ぎないのだが、結衣ちゃんも瀬奈ちゃんもほぼすべて事実だと語ってくれた。

「なんだろ、いろいろなものが重なって、こういうのは変かもしれないけど、今のあたしに疲れちゃったんだ。それで、しばらくお休みしたいなって」

結衣ちゃんはそう言う。

そうは言うものの、結衣ちゃんはさほど後ろ向きには考えてはなさそうな気もする。いずれ表舞台に戻ってバリバリやってくれると信じたい。


「結衣さんと重なる部分はいろいろありますね…周囲の声がもう……一度この世界から逃げたい、って思ってしまって」
「それがあの失踪だったわけか」
「はい。陸人さんもさぞ楽しみにしていたと思うと…申し訳ないです。師匠にはメールで何度も謝罪しました」

瀬奈ちゃんの師匠は男性棋士だが、かつては「天才」と呼ばれた大ベテランだ。
俺はよく知らないが、若い頃は破天荒でトラブルも多かったらしい。弟子の瀬奈ちゃんには「何でも好きにやればいい」と言ってむしろ数々の問題行動を推奨して楽しんでいたようだが。

「あの対局では、とっておきの衣装を用意していたんです」
「へぇ、どんなの?」
「水着です」

「へぇ……………って、えええええ!?」
「瀬奈ってば真面目そうに見えて大胆なことやるんだねぇ」

「真面目そうっていうイメージを崩したくていろいろやってきたわけですが…対局相手が、その私のパフォーマンスにいちいちケチをつけてくる方で」
「ああ…」

瀬奈ちゃんのライバルと称される一人だが、その性格はずいぶんと対照的な人だ。
真面目というか、堅物というか。
確かに強くてすごい棋士だけど、俺からしたらとてもつまらない人に見えた。
だから瀬奈ちゃんのファンになったわけで。

「その…瀬奈ちゃんの衣装、毎回すごく凝ってるなぁって思うし正直…すごくエロいのもあったから…つ、使わせてもらったことも結構あった……ごめん」
「ふふ、陸人さんにそう言ってもらえたら嬉しいです」

面と向かってすごくアレなことも言ったが瀬奈ちゃんは笑顔のまま。神だ。

「殿方がそういう意識を持ってくださるのもわかってやってますからね」
「グラビアなんてまさにそれだもんね」

結衣ちゃんも好意的に見てくれている。ちょっと、ホッとした。

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