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なんでも?言うこと聞いてくれる?年上彼女
官能リレー小説 - ラブコメ

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なんでも?言うこと聞いてくれる?年上彼女 1

自転車で学校から家に帰る途中、僕は車に撥ねられた。

「だっ、大丈夫ですかぁッ!?」
「あ、え、ええ……」

こちらも向こうもそれほどスピードは出てなかったので幸い大したことはなかった。
それでも相手のほうはパニック状態で倒れた僕に走り寄ってくる。

車は黒塗りの高級車、でもなければ、乗っていたのは怖いスーツのお兄さん、でもない。
ピンクの軽自動車。乗っていたのは可愛らしいお姉さん。

「ホントに大丈夫ですか!?怪我されてませんか!?」
「は、はい。この通り…」
お姉さんの前で身体を動かしてみせる。

「じ、自転車壊れちゃいましたよね?ほっ、ホントにすみませぇえぇんっ」
「あー、それも大丈夫です」

僕の実家は自転車屋だ。
それと、学校に内緒で自転車通学してたりするので、あまり大ごとになるとこっちもまずいのでね…

「よいしょっと」
「あ、あのっ、ホントに大丈夫なんですか…っ?」
「ええ」

自転車を起こす。
ちょっとフレーム曲がっちゃったけど、これなら帰れるだろう。家近いし。

「あっ、あのっ。もし何かあったら…心配なので、連絡先、教えてください」
「あ、あぁ、はぁ」

心配性な人だなぁと思ったけど、こんな可愛い人の連絡先が知れるチャンスなんて滅多にないよね、と軽い気持ちでOKした。

酒谷結衣さん、23歳。
顔立ちは幼かったから、まさか6つも年上だとは思わなかった。

この自転車でもとりあえずは走れそうだが、一応、押して歩いて帰る。
酒谷さんの事を考えながらゆっくり歩いても、10分と掛からずに家に着いた。
歩いて帰ってきたから、親父に不思議がられた。

「お帰り。あれどうした?自転車押して」
「ただいま。停めてた時にバイクか何かぶつかったらしくてさ。フレーム歪んでたんだよ」
「わかった。直しといてやる」

軽とは言え自動車とぶつかったって言ったら心配かけるから、嘘ついておく事にした。可愛いお姉さんだったし、騒ぐほどの事でも無いだろう。
親父はすぐに自転車の修理に取り掛かってくれた。
あの様子なら明日の朝にはきちんと乗れる状態になるはずだ。

僕は風呂場に入って制服を脱ぎ、ひと汗流すことにした。

酒谷さんの車とぶつかって転んだ際にできたのか、肘と膝に小さな痣のようなものができていた。とはいえしみるようなものでもないし痛むこともない。
いい湯加減だった。

『明日は昼前から雨が降り出し、夕方から夜にかけて降り続けるでしょう。お出かけの際は傘を忘れずに…』

「…マジか」

こりゃ自転車で帰って来たらずぶ濡れになるんかな、そもそも自転車を停めてる場所も屋根があってないようなものだしな。

などと考えていると親父が一仕事した後のスッキリしたような顔でリビングに入って来た。

「直ったぞ」
「ありがとう。でも明日は歩きかな」
「雨降るのか?」
「さっきテレビでそう言ってた」
「そうか。しゃーないわな」

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