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俺は執事だ!
官能リレー小説 - ツンデレ

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俺は執事だ! 2

「な・・・っ!?い・・・いま何と言ったのかしら・・・良く聞こえなかったわ」
「だから嫌だって言ったの!!一応言っとくが、お前みたいなワガママ女に仕えるのはゴメンだって意味だぞ!」
春樹の言葉に彩華は一瞬、傷付いたような顔をしたが、次の瞬間、顔を真っ赤にして怒り出す。
「な・・・何ですってえぇぇっ!!!?」
「お前の執事になんぞなったら、奴隷のようにコキ使われてイビリ殺されるに決まってる・・・そんなもんに誰がなるか!!」
「いいえ!!許しませんわ!!アナタは絶対に私の執事になってもらうんですから!!」
二人はお互いを睨みつける。だが・・・
「残念ですが春樹様・・・春樹様に拒否権はございません・・・すでにご両親に手付金として五億円ほど支払っております」
「はぁ・・・っ!!?」
側で黙って聞いていたメイドの雅のその言葉に、春樹は一瞬絶句する。
「ご両親共に大変喜んで下さりまして『どうぞあんな不出来な息子で良いなら煮るなり焼くなりお好きなように』との事です」
「あ・・・あのヤロ〜共!!自分の息子を売りやがったなぁ!!?」
「ちなみに契約破棄の場合、違約金が十億円ほど掛ります。私がお調べした春樹様の財政状況では、内臓をお売りしても破棄は不可能です」
雅は淡々とした調子で言葉を紡いでいく。
(あ・・・相変わらず恐ろしい女性だ・・・)
雅は彩華の乳兄弟で、一つ年上である事から、彩華の姉代わりでもあり、暴走しがちな彩華のストッパー役でもあった。
だが彩華と雅に近しいごく一部の人間だけは知っているのだ。
本当に恐ろしいのは主人である彩華ではなく彼女の方である事を。
(中学時代、彩華に嫌がらせをしようとした人間が、ことごとく実行する前に雅さんの策略に嵌って自滅したからな・・・彼女がこの件に協力している以上、逃げるのは無理か・・・)
「ご安心ください春樹様・・・この契約は五年後を期限とさせていただいております。もちろん双方に不満が無ければ契約更新もあり得ますが、もし春樹様がその時点で契約を終えたいと申されるなら、後金の五億円を持って退職なされても結構です。月々のお給料もちゃんとお支払いしますから、五年後には一財産です。その後は南の島へでも行って一生遊んで暮らせますよ」
春樹はその言葉に心が動いた。
(た・・・確かに十億は魅力的だ・・・彩華の女王様ぶりも中学時代に散々経験して慣れてると言えば慣れてる・・・五年間コイツのワガママに付き合えば後の人生は寝て暮らせるって訳か・・・)
「ホントにホントですね!?雅さん!五年で十億!!延長は一切無し!!」
「もちろんです!!我が名門西九条家の名誉に掛けて・・・」
「分かりました・・・よろしくお願いします!!」
春樹はそう言うと頭を下げる。
「はい、こちらこそ。春樹様」
「フ・・・フンッ!!金に目がくらむなんて、つくづく見下げ果てた男ね!まあいいわ!これからタップリ可愛がって上げる!」
こうして春樹は、彩華専属の執事として、西九条家に雇われたのであった。



朝の日差しが部屋の中を明るく照らし、広大な屋敷の庭では鳥達のさえずりが聞こえる。
「お嬢様・・・朝です。起きて下さい。朝ですよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お嬢様・・・朝です。起きて下さい。朝ですよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お嬢様・・・朝です。起きて下さい。朝ですよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ふぅ・・・コラーッ!!!いい加減に起きろ!!このクソ女ぁ!!」
「キャア〜!!!」
どれほど言っても起きない女主人に腹を立てた春樹は、終いに堪忍袋の尾を切ると、彩華の布団を引きはがした。
「いつまで寝てる気だ!!このクソ女!!テメェが朝メシ食わねえと仕事が滞るだろうが!!」
春樹がこの屋敷の・・・正確に言うとこの屋敷に住む西九条家の令嬢である彩華の執事になって一ヶ月。
最初の内こそ慣れない仕事からギクシャクしていたが、近頃では執事としての仕事にもスッカリ慣れ、お嬢様の扱いも段々とぞんざいになってきていた。
「は・・・春樹!!アナタねぇ!!主人であるこの私に対して何ですの!?その口の利き方は!!オマケにうら若き乙女の寝所に踏み込んで来て、挙句の果てに布団を剥ぎ取るなど・・・ハッ!!もしやアナタ!!この私の余りの可憐さに耐えきれずに欲情したのね!!?このケダモノ!!」

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