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Driver's High!
官能リレー小説 - スポーツ

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Driver's High! 4

声を掛けようとしたがふと思い出した……まさか、ハリソンは迷っていると女性が声をかける。
「Mr.ハリソン?」
「ああ、そうだが……まさかサラか!!!」
まあ息子が立派になっているのなら彼女も成長しているよな……。
「はい……」
「ジョーは元気にしているか?」
「D1に参加してます、F1パイロットシートをあんな形で土壇場でキャンセルされたら、馴れ親しんでしまった日本に……」
D1の事全日本プロドリフト選手権……それは日本で誕生した“ドリフト競技”である、元々はドリフトコンテストやら雑誌企画のお遊びだったのが年々マシンもドライバーもレベルが上がり遂には規格統一化した。競技車両も日本車であり、ドライバーも自営業(自動車関連職種)やサラリーマンをしているのも特徴でモータースポーツにしては異色とも言える。
何よりも競技スタイル上比較的小規模なサーキットや大規模屋外駐車場でも開催出来る事もありインターネットにより世界中に拡散、ボビーから見れば恐怖にも感じる……F1マシンがドリフトする時には大抵クラッシュの前振り、まあラリー競技をしている者なら使う事もあるがターマック(舗装道路)やグラベル(未舗装道路)で高速道路走行並の速度を出す事はクレイジーである。
「あの時はハリソンさんも骨を折って貰ったのに」
「いいさ、ジョーもF1の世界に幻滅したしな……だからロブにはあんな思いをさせたくはない」
常に観戦しているのは動向を探る為でもある、サラの兄はペイドライバー側の圧力にチームが屈してしまい契約をドタキャン……そのチームが上手く行く筈もなく完走出来れば御の字。
先輩方ドライバーの評判も悪くペイドライバーの彼も焦りを見せた、その焦りが最終レースにてスタート時に出遅れてマシンが犇めくあう第一コーナーに進入しようした瞬間後続マシンが行き場を失い追突、マシンは宙を舞い仰向けで地面に着地して滑りそのままタイヤバリアを超えた。新しい安全基準が無ければ死亡していたと言われたボビーもその模様を見た時にキリスト様に祈った程だ。結局彼はこの事故が決定打になり次のシーズンでは完走すら無かった……チームと他スポンサーもジョーを呼び寄せようとするもあんな事をされたらドライバーの立場から見ればお断りだろう。
「所でもう寝たのか?あいつのシフトノブはデカいだろ?」
「!!!!」
「やはりか、あいつは俺の息子だ。乗りこなすには少々キツいぞ」
最も今のF1はパドルシフトと呼ばれるハンドル後方にあるレバー操作である。
これは足に障害がありペタル操作が出来ない方にも自動車運転を出来る装置にもなる、厳密に言えばATであり電気信号でギアチェンジするので操作装置は色々と出て来る訳だ。機械式よりも利点があるが電気系トラブルになれば致命傷だ。
「あの……大丈夫なんですか?」
「ああ、彼の母親と継父から弁護士を介して接触しても法的に問題にならないってさ……最もアイツの本音を聞いた事あるのかって聞かれると答えはNoだ」
ステンレス製ボトルから酒を流し込むボビーの姿にサラは分かる。
「更にマックスはペイドライバーだが実力に合わせてステップアップしている……フォーミュラーカテゴリー以外のレースもしているしな」
この前は“おたふくかぜ”で無念のドクターストップを喰らったドライバーの代わりにSUPERGTにスポット参戦したと言う。結果は入賞圏内であちらでも女性を抱いた事は知っている……現役時代に付き合いがあった関係者からボビーの再来とも苦笑交じりに言われた。
「向こうでジョーと再会してな、話が弾んだらしい……」
恐らく通訳として参加していたんだろう。聞けば彼もドリフト競技は好調でありカスタムカーショップで働きつつしている。
「次のレースは鈴鹿だ」
「SUZUKA?」
「日本にある、ホンダの創業者が手掛けたサーキット……シルバーストーンにも負けない位の評判がある、実はなスポーつチャンネルにあるモータースポーツ部門に有識者として番組に出演してほしいのだが……個人的なアシストを探している」
「?」
「ぁ〜若気の至りでね中々見つからないのだよ」
離婚される位だ、前妻から離婚届けを突きつけられた時には勢いそのままサインしてしまったが……今になり後悔はしている。最も再婚相手はボビーもよく知っているので文句は言えない。
「やります!」
「いいのかい?」
頷くサラにボビーは言う。
「アイツは奥手だからな、他の悪女が狙ってくるぞ」

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