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Rebuild〜女ふたりで世界を変えよ〜
官能リレー小説 - スポーツ

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Rebuild〜女ふたりで世界を変えよ〜 2

「ストレートに感情を表現してくださって、感謝してます。シーウルヴズは、もっと勝てる集団ではなくてはならないのです。応援してくださるファンはたくさんいる。だからこそ、まだ見たことのない、ポストシーズン、そしてワールドシリーズ…」

力説するキャロライン。
エマはまたポカンと口をあけ、その姿にただただ圧倒される。

「エマさんをシーウルヴズの新たなGMに任命します。2人で全く新しいシーウルヴズを作っていきましょう!!」
キャロラインがそう言ってエマの手を取り持つ。

「は、はぁ……はぁあ!?」
エマも勢いで頷いてしまった。

ひょんなことから、シアトル・シーウルヴズの新たな一歩がスタートしたのである―



シアトル・シーウルヴズ。
メジャーリーグは150年近い歴史のあるスポーツだが、このチームは誕生して40年ほどの、比較的新しい球団である。
リーグ優勝は2回。いずれもポストシーズンで敗れ所謂「世界一決定戦」ワールドシリーズへの出場は一度もない。現在存在する球団では、このシーウルヴズだけの記録である。

シーウルヴズの初代オーナーはキャロラインの祖父カールであり、父のケイシーが引き継ぎ、キャロラインで3代目となる。

「祖父はウルヴズはアダムズ家の宝であり、絶対に手放してはならないと頑なに言っているのです」
「なるほど」


ポストシーズンで白熱した試合が展開される日々の中でエマとキャロラインはシーウルヴズの来季に向けたロースター編成について話し合いを始める。

最初の議題に上がったのはチームの核となる2人の選手だが、この2人はチームの爆弾にもなりかねない選手だ。

正一塁手のエディ・マックイーン。
4年前にキャロラインの父が7年契約という破格の長期契約を結んだスター選手。当時はすべてにおいて優れた外野手だったが、シーウルヴズではごく普通の選手に成り下がってしまい守備の衰えもあって今季は一塁にコンバートされた。
寡黙な男だが、練習は常に特別扱いという気難しさを持つ。

もうひとりはエース投手のカルロス・メンドーサ。
炎上続きの投手陣の中で孤軍奮闘してきた男で、今季も17勝を挙げた。チームの勝ち星の25%である。
そんな彼はここ数年最下位が続いているシーウルヴズの状況を良く思っておらず、キャロラインの父に自分をトレードしてくれと直訴し続けていた。

「マックイーン一人では大きな見返りは期待できませんね」
「ええ。そこにメンドーサを加えたトレードならトップクラスのプロスペクトが2〜3人獲得できると考えます。しかし、メンドーサは出したくないのが本音です」

19歳で鮮烈なメジャーデビューを飾ったメンドーサは現在26歳。
キャロラインの父はここ2年くらいの間、何度も彼に長期契約の交渉をしてきたが、チーム状況などを理由に楯突かれまったく進展していなかった。

「それとマックイーンに関しては、残りの契約金の一部をこちらで負担したうえでのトレードも考えています」
「そうでもしないと売れませんよね」
「ええ」

「ところで、アダム・ダンクスはどうなんです?」
「順調にステップアップしてますよ。早ければ来年にはメジャーデビューできると思います」

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