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全裸競技会
官能リレー小説 - スポーツ

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全裸競技会 12

「村本君もいたんだ」
由香は競泳プールで練習している猛に何気なく声かけた。
「あっ、鈴木も…。新体操は?」
「続けてるよ。全裸競技会ってほかの競技にもエントリーできるらしいから、シンクロでも目指してみようと思って」
由香は猛と違い動揺している様子がない。全裸アスリートとして堂々としている雰囲気すらある。しかし、女として気になるところは気になるようで、由香の視線は猛の股間に向いていた。
「どうしたの? ここで練習していたら女の子の裸は当たり前じゃない」
「いやぁ…、鈴木とは学校でしか会わないし、裸なんて見ないし…。ちょっと変な感じがして…」
戸惑っている猛を見て由香は自然と笑みを浮かべていた。
「そう。私の裸になれるように練習しようか。練習の後、宿舎の部屋で」
「う、うん…そうだね」
猛は戸惑いを隠せないが、同級生が手を差し伸べることは悪くないと思って誘いに応じた。

練習終えて猛は由香の部屋に向かった。由香の裸に慣れるかどうかはともかく、全裸競技をやろうとしたのはどうしてなのか、堂々としていられるのはどうしてなのか、とにかく聞いてみたかった。
「鈴木ってどうして参加しようと思ったの?」
「そうね…。というよりも私の裸、どう?」
由香は自分の裸を猛に見せつける。
 猛は反射的に眼を反らした。
 「どう、って…」
 「ここは、全裸競技会の選手だってことは、一度、お互い忘れよう。普通のクラスメートと思って、どう?」
 猛はうつむいたまま、何と応えたらいいか分からなかった。
 「ほら、勃起しちゃいけないとか、一旦忘れよう」
「うん…。鈴木の裸、きれいだよね。この前の新体操の予選を見たときからそう思って…。その時勃起しちゃった」
絞り出すように猛が答える。答えている間に猛の股間は勃起している。
「ありがとう、正直に言ってくれて。私、普通に新体操していたら行き詰りそうになると思ったから全裸競技会に挑戦しようと思ったの。裸がきれいって友達に言われたし」
由香は心中スッキリしたようで、笑みも浮かべている。猛はこれまで悩んでいたことがどうでもよくなってきて気持ちが軽くなった気がする。
「鈴木はすごいよな。この前初めて全裸で演技したのに堂々としているなと思ったけど、裸に自信あるんだ!」
「みんなじきにそうなるでしょ。村本君と一緒にいる沙希ちゃんだってそうでしょ?」
「そうか。初めは恥ずかしがっていたけど、練習しているうちに堂々とするようになって…」
由香から沙希の名前が出たのに驚いた猛だが、気持ちが晴れた気がした。
「そんなもんだよ。学校にいる私だと考えない。私も沙希ちゃんも一緒だと思えばいいじゃん」
由香も猛も笑顔になっていて、猛に漂っていた緊張感ももう緩んでいた。

猛と沙希が初めて全裸競技会の総合大会に参加してから1年経った。2年後の総合大会に向けた種目ごとの競技会が行われる中、2人は競泳の競技会に参加することになった。


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