ボヨヨン・バレー 4
彼のマッサージに身を任せていると、自分がふわふわ浮かんでるような心地。
上手だし、いつまでもこうしていたい気持ちと、もっと深い関係になって、彼にこの身を捧げたい気持ちとで、幸せな葛藤が脳裏を占める。
もにゅ、もにゅ、と優しいマッサージがしばらく続いて、終わりの方になると、私は思わず、少しエッチな声をあげてしまう。
「あん、翔真くんっ」
「若菜、ごめん」
慌てて翔真くんが手を止めた。私は何も言わずに彼を見た。
私は抗議の気持ちとちょっと名残惜しそうな気持ちの両方を、表情に出していると思う。
でも翔真くんが上手すぎるのと、こんな気持ちを抱かせたのが悪いんだから。
「最後まで、ちゃんとしてね」
「あ、ああ」
翔真くんがマッサージを再開してくれた。やっぱり気持ちいい。私が彼の事を想っているからだろう。
声をあげないよう気を付けながら、私はこの気持ちよくて幸せな時間を味わう。