キューピッドの矢 6
気が付くと、結菜が落ち込んでおり、
「愛野さんの方が気持ち良さそうじゃないですか。」
「ちょ、ちょっと自分から言い出した事じゃないの。」
「そ、それはそうだけど。」
「とにかくどっちにするか、鳳堂君の判断に委ねるする事にするわ。」
結局、悩んだ末、佐由美と付き合う事にしたが、
「(果たして、これで良かったのかな。)」
結菜がこのままだと可哀想だと思うのだが、結菜がとても別の男に恋するとは思えないし、
「(と、とにかく結菜が立ち直ってくれるのに賭けるしかないな。)」
そんな事を考えながら、弓を射ると、的の端に矢が当たったのだった。
部活を終えて帰ろうとすると、
「あ、あれは桃井じゃないか?それにしても一緒にいるのは・・・」
気付かれないように様子を伺うと、
「あの、桃井さん、僕はずっと前からあなたの事を・・・」
「ごめんなさい、私、失恋したばかりだからちょっと待っててくれない?」