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異世界でハーレム生活希望します
官能リレー小説 - ハーレム

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異世界でハーレム生活希望します 66

「この塔にも使われている扉で離れた場所をつなぐ技術もかつての覇王が作り出したものだった。私は自分で開発した技術だと思っていた。しかし、それもまた覇王の花嫁である砂漠の民の巫女が、覇王から教えてもらった魔法技術のひとつだったと、宝玉に残された記録からわかった」
「お師匠様、薬草を使った解毒の術も遠い過去の覇王が教えた技術なのですか?」
「そうだ。魔力を水のように与えられて育った植物は、普通の野菜や果物にはない特別な効果を人にもたらすことができる。今でも、薬草が採取できるのは、かつて薬草を村人たちが栽培していた時代のなごりだろう。時が過ぎて栽培の魔法技術は人々から忘れられ失われたが、薬草は残り続けたわけだ」
「カロリーナさん、なんでこの世界の人たちが消滅するのか、過去の情報からわかりませんか?」
カロリーナは顔を横にふって、ため息をついた。
「宝玉の記録の時代には、人の消滅はなかった」
「うーん、クリスは石板に封じられる前のことを何でもいいからおぼえてないかな?」
「覇王から魔力をわけてもらえば、体が作れる魔法があるって仲間が言ってたのをおぼえてる。だから、人間の国に行って、覇王を探すって。でも、その話をしたら、人間の国に行った仲間は戻ってこなくなるから行っちゃダメって大人の仲間から怒られたよ」
クリスが幼児体型なのは、子供のサキュバスだからなのか。
「クリスちゃんは人間の国に行かなかったの?」
リゼットが質問すると「うん。あたし、いい子だもん」と笑顔で答えた。
いい子のサキュバスを人間の誰かが石板に封じて拉致してきたってことか。
「サキュバスも今の世界ではクリスティーナ以外は絶滅している。錫杖の宝玉よりも石板はもっと後の時代の遺物。その時代の人間に消滅がすでにあったのかはわからないがサキュバスの絶滅には、人間が関与していた可能性は否定できない」
クリスティーナもサキュバスの絶滅については考えていたようだ。サキュバスは人間の精気と同時に魔力を奪うことで生きていた。俺の世界の伝説ではサキュバスの話が残されている。吸血鬼や狼男の伝説と同じように。
「覇王や覇王の花嫁について、遠い過去の覇王が砂漠の民の巫女に語った言葉を知ることができた。かつて、覇王はこう言った。覇王の花嫁となる女たちの命には女神の命のかけらがあると。かつて覇王は神であったが、神であることを捨て世界から去ってしまった。女神は覇王を恋慕うあまり、自分の不死なる命を世界に散らし覇王を探すことを選んだ、と」
「女神の命?」
俺は首をかしげながら、カロリーナの話を聞いていた。
「御主人様が覇王だと私たちは直感的に確信できる理由や覇王の花嫁になれる者かわかる理由を、これで私は納得できた」
「なんで神様だったのに、覇王は逃げ出したんだろう?」
俺がうっかり思ったままのことを言うと、カロリーナがまた、ため息をついた。
「その答えは私にもわからないが、この世界に今、覇王が現れなければ、自分が女神の命を分け与えられていると知らずに消滅していただろう。そして、また、覇王とめぐり会うために、女神の命のかけらを継ぐ者が生まれてくる。私たちは覇王を探すためにこの世界で生かされている存在なのかもしれない」

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