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淫蕩王伝―再誕―
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝―再誕― 8

「隊商かあ。それなら護衛くらいいそうだし、心強いよね。」
豊もさすがに隊商が何であるかは想像がついた。もっとも彼が想定していたのは山賊対策の護衛だったが。
料理の味は悪くなく、やがてふたりは食べ終えた。
勘定を終え(セーラに払わせてちょっと悪いなと豊は思ったが)、宿を頼む。
店のママ(と言うには若いが)は、「二人部屋でよければあるわよ。」と言った。
思わす互いを意識して、豊とセーラは赤くなる。
その様子にママは、「大丈夫よ。ベッドは別々だから。ふふ。」と言って笑った。
「そ、それじゃ、ありがたく・・・」と豊。
「あとお湯をお願いします。」とセーラ。
「お二人様お部屋にごあんなーい!」
ふたりは部屋に案内された。
さっきのウェイトレスさんの案内で部屋に向かう。結構大きなヒップを彼らの目の前で揺らして歩く姿がセクシーだった。セーラの手前、意識しないように気を付けて豊は歩く。

「ふう。」
「ひとまず安心ですね。」
「ところで、聖典の読み方を教えてくれるかな。」
「いいですよ。」
セーラが背負い袋から聖典を取り出す。
ふたりは部屋のテーブルに向かって座ると、開いた聖典を読み始めた。
「とにかく、どこか一節を指し示しながら読んでほしいんだ。」
するとセーラは、「偉大なるエイリアは母の神であり、豊かな実りを約束する神である。」との一節をなぞりながら読んだ。
「ふむふむ、そこはそう書いてあるわけか・・・・・・」と豊。
とたん、その一文が光ったような気がして、あたかも日本語で書いてあるかのように読めるようになった。
試しに、別の一節をなぞりながら読んでみる。
「・・・・・・・・・・・・彼は、神エイリアに出会えたことを思わぬ幸運として生涯感謝した・・・・・・」
「ちょっと待って。」不意に、セーラが制止する。
「どうしたの?誤読したかな?」
「してないわ。ここ、『彼は神エイリアに出会えたことを藪なかに金塊と生涯感謝した』と書いてあるの。
でも、『藪なかに金塊』というのは慣用表現で、思いがけない幸運って意味なの。あなた・・・文章の文字じゃなく、意味を追って読んでるわ。」
セーラは、目の前の美少年が短時間で読解をマスターしたことに驚いている。
「やったぞ!!」
豊の喜びの声が上がる。
その後もしばらく読み続け、更には書き出しも行い、豊はハイマン語が読み書きできるようになったのだった。
コンコンと、そこにノックの音。
「お湯の用意が出来ました。」
さっきの美人ウェイトレスさんの声だ。
「どうぞ。」
と豊が扉を開くと、湯の入った盥を持ったウェイトレスさんが入ってきた。
重そうにもっているのを見て、豊も手を貸す。
「大丈夫?」
「あ・・ありがとうございます。」
(やだ、この男の子可愛い・・・。)
笑顔で手を差し出す豊に、ウェイトレスさんはちょっと恥ずかしげだ。
部屋の中央、テーブルのそばに盥を置くと、ウェイトレスさんは「失礼しました。」と言って出て行った。
(僕を見てなんか赤くなってたな。ひょっとして?)
(ユタカさんがいくら綺麗だからって・・・)
思うところあるふたりであった。
「僕は外に出ているから、先にお湯をつかってくれていいよ。」と豊が微笑んで言うと、
「あ、ありがとうございます。」セーラが答える。顔が赤いのは湯気のせいだけではないだろう。
豊が部屋の外に出ると、中ではセーラが湯を使い始めた。
といっても盥一杯の湯、浸かるわけではない。
しゅるり、しゅるりと服を脱ぐと、背負い袋から出した布を湯に漬けては絞り、それで体を拭う。
外で待っていた豊にはその音が聞こえ、おぼろげにセーラの裸を思い浮かべて股間を硬くしてしまうのであった。

「お待たせしました。」
セーラが扉を開き。声をかける。
「セーラさん・・・綺麗だ・・・。」
髪についた血も洗って、髪が濡れた姿が美しい。
ついでに服も替えの神官服に着替えていた。
「ふふ、ユタカさんったら。」
可愛く微笑むと、「ユタカさんの番ですよ。」と言い、自分は外に残る。
代わって彼が部屋に入り、自分も布を用意しては服を脱ぎ、体を洗ってゆく。
「結構あちこち汚れたな。あんな無茶な切り刻み方は駄目だよな・・・」
初陣とはいえ、無我夢中でローパーを斬り刻んでいた自分を反省する豊であった。
やがて、体と鎖帷子の血を落として下着も着替えた彼は、セーラを呼ぶ。
「終わったよ。セーラさん。」
「はい。」
セーラが入ってくると豊は質問した。
「汚れた服はどうしたらいいのかな。」

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