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淫蕩王伝―再誕―
官能リレー小説 - ハーレム

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淫蕩王伝―再誕― 52

エリカも、師匠のこの態度にはさすがに呆れている。
「さて、学長からも話があったと思いますが、まずユタカ君を故郷に還す方法を調べるのが1つ、そして、メローネ神殿で受けた託宣のことが1つ。これらについて調べるのですね。私達も協力しましょう。」
話を切り替えるように、アルベルトが口にした。
「あ、あの、『異界の光』という言葉に覚えはありませんか?テルスという世界についてご存じありませんか?」
豊はここぞとばかりに尋ねた。
アルベルトが答えた。
「ふむ、テルス・・・・・それが君の出身だという異世界の名前だね。」
「アルベルト兄・・、いや副学長、異世界転移の魔法はまだ完成には程遠いのでは?全世界の魔術師が叡智を結集してもあと一世紀は必要だと言われていたはずですよ?」
ローザが言った。
「人間の叡智では、まだ遠い未来の話だ。だがローザ、神々の力、または邪神ルーゼンの力だとしたらどうだろう?」
「確かに神々なら、他の世界から人を呼ぶことすらできるかもしれませんけど・・・・」
兄妹で議論を始めてしまう。
だがそこにセーラが割り込んだ。
「待ってください。ユタカさんがこの世界に来たのは、邪神の意思だと言うのですか?」
「はっはっは、メローネの託宣があったのだから、邪神の意思ではあるまい。それはこの胸に誓って保証しよう。」
答えたのはモーロックだった。だが性懲りもなくセーラの胸を触っている。
「先生!!」
「学長!!」
「お父様!!」
「セーラさんに何を!」
エリカ、それに兄妹や豊の非難の声が重なる。
「せめて、神に誓ってください!!!」
豊の陰に隠れながら、セーラは叫んだ。
「とにかく!皆で資料を当たりましょう。」
「はい!」
「そうじゃの。」
「あの・・・・資料って、この巨大な書庫全部ですか?」
慌てて豊は質問した。
「ユタカ君、大丈夫よ。ここにあるのはあらゆる分野の資料だから。全部に目を通す必要はないはずよ。司書さん達を集めてくるわ。」
ローザが答え、事務室に消えた。
豊は小声でエリカに質問した。
「あの・・・ひょっとして、エリカさんもあのエロ学長に手を出されたんですか?」
「少年、聞こえておるぞ。わしは抱く相手とはちゃんと恋愛してから抱いておる。教え子にむやみに手をだしてはおらんよ。」
(じっ、地獄耳・・・)
モーロックの答えに腰が引けてしまう豊。
「そういうこと。私がHした男はユタカ君だけよ。ふふ。」
(女の子とは何人かと関係してるけどね。ふふ。)
エリカも小声で答え、豊の額をちょんとつついた。
そこに、ローザと司書たちがやってくる。

そして一行は目当ての情報を得るべく、膨大な蔵書を調べに掛かった。
さすがと言うべきか、司書達は要領を良く心得ていて、それらしい本に次々と当たりを付けて片っ端から調べていく。

調べ始めてから30分ほど経った頃、アルベルトは豊とセーラに言った。
「結論を言おう…」
「「ゴクリ…」」
思わず唾を飲み込む二人。
「まず、ユタカ君が元の世界に帰る方法だが…これはやはり我ら人間の力では、現段階では限り無く困難だと言わざるを得ない…」
「そ…そうですか…」
つまり無理という事だ。
「それから、メローネ神殿で君達が賜った神託についてだが、先程ユタカ君が口にしていた“異界の光”という言葉…これに関して言及されている書籍が一冊だけ見付かったよ」
「ほ…本当ですか!?」
「見せてください!」
「うむ…ローザ」
アルベルトはローザに目配せする。
「はい、こちらです」
彼女は一冊の本を閲覧用の机の上に置いた。
タイトルは“神々との対話”とある。
豊は訊いた。
「何ですか?これ」

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