そして見渡して見ると一見ワンルームマンションみたいな部屋をしていた。
フローリングのフロアにはベッドと机が有りフロアに固定されているがちゃんと椅子まで備わっている。
そして別に立派なユニットバスがあって中は二人は入れる広めの湯船にシャワーそして洋式トイレが一体型になっていた。
しかし普通の部屋では考えられない物もあった。
何と言っても立派なユニットバスが有りながらキッチンは無かったのだ。
外に繋がっている扉も未来からは開ける事が出来ず外から開けてもらうしかない。
そして一見すると大きな窓様に見える物・・・
しかし実態は壁一面に納まっていたディスプレイだったのだ。
つまりこの部屋には窓が無く完全に閉じ込められた独房みたいな部屋なのだ。
しかしそのディスプレイのおかげなのか閉塞感は無く寧ろ照明と合わさって明るいとさえ感じていた。
とは言っても未来は全裸でこの独房みたいな部屋に幽閉されている事には変わりは無い。
未来は閉じ込められていると分かると

「どんな部屋か何となく分かったから今度は部屋を出て服を見つけなきゃ」

そう考えると何とか隙間を見つけようとする。
だが扉以外に外への隙間は見当たらずその扉も中に居る未来からは開けられない。

「ああぁぁ・・・結局今のままじゃ此処から出られないのかな・・・」

未来は今すぐ部屋を脱出するのを諦めてしまう。
すると未来はディスプレイの脇に0から19まである20個のボタンがあったのだ。
未来はボタンに手を伸ばすと

「とりあえずボタンを押せはテレビ位映って暇潰しには出来るのかな？」

そう呟くと先ずは0のボタンを押す。
すると今まで窓の様な風景から何と全裸の未来が大きく現れたのだ。

「えっ!何？これってこの部屋を映しているの？」

いきなり全裸の生身に未来は驚く。
どうやらディスプレイの裏側にカメラがあって現在その様子が映しているのだった。
しかし未来はディスプレイに映る自身の全裸姿に眼が釘付けになる。
一見すると変わりない自身の全裸が映しているが股間の違和感もあってか全裸姿が妙に新鮮に感じていた。
そして未来は

「じゃあ他のボタンが何なのかな？」

そう呟くなり今度は1のボタンを押す。
すると再び未来は驚く。

「ええぇぇ！！何故美弥(みや)ちゃんが映っているの？」

何とディスプレイにはクラスメイトで未来の友達である山口美弥(やまぐち　みや)の姿が映されていたのだ。
しかも美弥も未来と同様に全裸姿になっており部屋周りを見渡していたのだった。
未来はたまらず

「美弥ちゃん！美弥ちゃん！」

とディスプレイ越しに美弥に話しかける。
しかしディスプレイ越しだったので美弥の方は気付く訳が無く部屋の中を彷徨く姿だけが映されていた。
いや・・・ディスプレイは美弥の姿だけで無く

『此処は何処？・・・何で裸なの？・・・私どうなっちゃうの？・・・』

ディスプレイ裏から美弥の音声が聞こえていたのだ。
どうやら部屋の何処かにマイクが有るのだろうマイクが美弥の音声を拾っている。
そしてディスプレイにはスピーカーも装着しておりボタンを押せは其処の部屋の音声が流れる様だ。
未来は尚もディスプレイに近づいては

「美弥ちゃん！聞こえている！美弥ちゃん！」

と語り掛け続ける。
しかしやはりディスプレイ越しでは未来の声は美弥には届かなかった。