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第二次性徴変性症
官能リレー小説 - 性転換/フタナリ

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第二次性徴変性症 40

昨今の流通事情からは見ればここは倉庫としてはキャパが足りないがライスが社長を務める会社では十分であり、スタジオを設けることが出来たのは幸いでしかもここは流通と工業団地の一角にあるので利便性が良い。更に衣類の撮影が無い時は貸しスタジオとして開放しているし外見も意外と映えるらしい。
「そうなんですね……」
「で、爆乳枠が確保できたからあのこも……」
「そーでもないわ、彼女は全身を載せられるからねぇ」
トスカさんは楠瀬運輸の事情は知っているので当初はモデルの話も振るべきでは無いと思ってはいたが……件の事務員二人も巨乳故に玲が直面する悩みを知ってか日菜子さんに提案しトスカさんが話を振った時には直ぐに応じた、玲は目を覚ましてはなかったが物分かりが良すぎる一面もあった。
「アレ?ショウクン?」
トスカはなじみの社員を見て声をかけると社員はトスカを見てスマホの通話を切ってズボンのポケットにいれ、訪ねる。切羽詰まった状態だ。
「彼女達撮影は?」
「香子はもう少ししたら撮影だけど」
「手配していたレイヤーがこれなくなって……何とか二人は確保できたんですが、残りが……爆乳で」
「パフで盛れないサイズなんですね?」
パフとはファンデーションを顔に塗す際の道具で最近は100均のポテチ袋サイズも売られている場合もある。
「君!名前は?」
「楠瀬 玲です」
「ショウクン、彼女全身NGの子よ……」
「大丈夫です、キャラ設定上顔を見せない爆乳ヒロインです、これがそのキャラです」
持っていたタブレットに表示された画像には学生服を着たヒロインがアサルトライフルを持っている、映り込んだメモの日時を見て納期を考えると今日中の撮影しないと間に合わない。玲は思い出したのか鞄からラノベを出した。
「“緋刀学戦記"の鐶 菜緒ですよね?コレ?」
「おおっその通り……知っての通り彼女はTSヒロインだ」
この"緋刀学戦記”はライトノベルであるが作りこまれた作品世界観がウケており未だに終わりが見えない作品なのだ。しかも鐶 菜緒は当初は鐶 直樹として主人公らの後輩として登場、先中では世界征服を目論む組織のアジトに主人公らと乗り込むも離散し単独で行動するうちにラボに……そこに人類を支配するために用意されたナノマシン開発に勤しむ裏切り者と遭遇してバトルするも複数のナノマシンや検体が入った容器が損傷して倒れた。主人公らが救助した際には彼は爆乳ロリヒロインになっていたと言う。
「その時の原作挿絵が神画って言うのも知っているね?」
玲が頷くも無理はない、男子学生制服が破れる寸前に膨らんだ胸と尻で気を失っている状態である。
「これって顔がはっきり出ているけど、まっ!まさかっ!」
「そのまさか、公式設定で菜緒の顔表情が出るのは来月にスタートする外伝コミカライズ、そしてレイヤー向けの衣装も販売される」
リーナですら会話に入り込むタイミングを失っていたが何となくスゴイ事と分かる。
「顔は写さない様にするのは原作者側の絶対条件ですので……お願いします!!!」
「あのこの手の事って東京でしないんですか?」
灯が尋ねるとショウクンの谷瀬 ショウは呟く。
「実は外車の大型トラックと共に写真に撮る予定だったんですが日本国内と言う条件で……」
幸いにも出版社にトラッカーを扱う専門誌編集部が存在して助けを借りて探し出したのが……。
「楠瀬運輸って言う訳ねぇ……ショウクン、ついているわね」
「はい?えっ!!」
「伯父が社長をしている会社ですから……後は母にも聞かないと」
「事情は分かったわ、顔が写らないのなら許可するわよ」
いつの間にか日菜子が立っており言う。この場所は問屋も集まっているので食材に拘る環境で育った日菜子にとってはなじみの問屋も存在している。
「日菜子……」
「事務員二人もあれから昔の職場や関係先に探り入れて貰っていたから……トラブルになったその時は日比谷先生に頼むし……」
最も神田川の常連には政財界の重鎮も居るし芸能界にも大御所を中心にファンがいるので怖い所だ。
「玲、義兄さんらも予定があるから直ぐに着替えなさい!」
ショウは直ぐに衣装を持ってきた。


「……ここまでそっくりとはねぇ、トラブルが発覚してどうなる事かって思っていたわ」
一見して少女に思えるが成人している女性は玲を見てびっくりした表情になるが玲も驚いていた。なぜなら彼女が原作者、PNからも本名が分からないし顔写真すらない上に売れっ子なのにイベントすら出ない。その理由は作家は顔ではなく作品で売れと言う信条があるらしい。

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