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牝猫と富豪
官能リレー小説 - 二次創作

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牝猫と富豪 3

「フフ…その顔、あなたのような美しい女性でも、そんな顔をされるんですね」
「たとえ、この場所が電波妨害や防音設備があったとしても、妹達なら必ずここを見つけ出すわ」
セルゲイに顎をクイっとされるが、泪は妹への信頼からか笑みを浮かべていた。
「素晴らしい姉妹愛ですね。なら、賭けをしよう…」
「賭けですって!?」
「ええ…今日が終わるまでに、あなたの居場所を見つけて、辿り着ければ、あなたの勝ち。潔くあなたのことを諦めて、キャッツアイのことも黙っておきましょう。しかし、次の日になれば、私の勝ちで、あなたのその素晴らしい身体を抱かせてほしい。それまでは手を出しませんよ」
セルゲイは泪の身体を舐めるように見ていた。
「分かったわ。その条件を呑みますわ」
「フフ…では、また後ほど」
セルゲイは、泪から離れて部屋から出て行った。
「瞳……愛……」
泪は拘束を解けるか試しながら、妹達のことを考えていた。
一方、泪がセルゲイに誘拐されたことを知らない瞳は店で三女の愛と二人で世間話をしながら、泪の帰りを待っていた。世間話が盛り上がっていると、プルル……プルル……と電話音が鳴り響く。瞳は受話器を手に取り、耳に当てていた。
「はい…来生です」
「瞳お嬢様ですか?永石です。泪お嬢様は戻られましたか?」
「いえ…まだだけど」
「泪お嬢様は誘拐されたかもしれません」
「えっ!?」
瞳は思わず大きな声を出してしまっていた。
「セルゲイ氏から買い取った絵画は偽物でした。私が付いていれば、こんなことには…本当に申し訳ありません」
「姉さんにはもしもの時のために、発信機付きのイヤリングを渡してあるから、一応大丈夫だと思うけれど、こちらでも探してみるわ」
「よろしくお願いします…」
瞳は永石との会話を終えると受話器を置いていた。
「愛、直ぐに支度して…」
「お姉…」
瞳と愛は泪を探すために支度していた。
瞳と愛は、永石の情報を基に、泪の居場所を探していた。しかし、泪の居場所が分かる手がかりは掴めず、時間はどんどん経過していった。
「姉さん…どこ行ったの?」
「泪お姉…」
二人は泪がなかなか見つからず、不安が募っていくばかりであった。泪を探す二人はまさか泪が賭けをしているなど思いもよらないでいた。
二人が泪の捜索を開始してから、数時間が経ち。賭けのタイムリミットが近づきつつあった。セルゲイは再び泪がいる部屋に来ていた。
「泪さん、タイムリミットが近づきつつありますが、一向にあなたの居場所を掴めないでいるようですね。どうです?もういっそのこと諦めるというのは?」
「まだ時間があるのでしょ?だったら、最後まで妹達を待ちますわ」
泪は自信があるのか、何か策があるのか今だに冷静さは失っていなかった。
「いいでしょう。ですが、もしタイムリミットが来るまでに諦めるなら言ってくださいね」
セルゲイは、時間が近づきつつあり、勝利への確信からか余裕の笑みを浮かべながら、泪の目の前で椅子に腰をかけていた。
瞳と愛は、泪を捜索開始をしてから、数時間が経過するが、全く状況が進んでいなかった。
「愛、そっちはどう?姉さんのこと、何かわかった?」
「ううん……そっちは?」
「こっちもよ……姉さんを見たって、情報が全く入らないわ」
「本当にどこに連れて行かれちゃったんだろう。あれからもう数時間経過している。もうすぐ、明日になっちゃうよ。」
「愛、一旦、帰りましょう。永石さんが何か続報をつかんでいるかもしれないし。」
「わかったよ」
「姉さん、待ってて。必ず見つけだすから……」
二人は泪の捜索を中断して、一旦帰宅することを決めてしまう。その決定が泪の運命を決めてしまう決断になるとは、彼女達は知るよしもなかった。

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