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マセガキの寝取りボインハーレム ―IS編―
官能リレー小説 - 二次創作

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マセガキの寝取りボインハーレム ―IS編― 67

鷹月の質問に千冬はふぅっと呆れたようなため息をつく。
次いでクラス全域を見渡し、一段声を高く張り上げた。

「存じているとは思うがIS学園は白鳳院財閥から多大な資金援助を受けている。その支援に見合うだけの学園運営や教育はきちんと成されているかどうか、財閥代表として自身の目で確認したいらしい」

千冬の説明を受け、一夏はようやく納得する。
同時に深く感心した。財界の巨人だけあって白鳳院家には様々な黒い噂が絶えぬが、部下に頼らず自ら積極的に現場に赴くとは―――少なくとも悪い人物ではなさそうだ。御曹司だけあってそれなりの器量はあるのだろう。

「まあ特に予定に変更はない。通常通りの授業、通常通りの学園生活を白鳳院氏が見学するだけだ。何度も言うが問題は起こさぬように―――特に織斑」
「え!?  お、俺ですか?」

突然の名指しに一夏はビクッと肩を震わせた。
千冬は腕組みしたまま、厳しい眼で実弟を貫徹する。

「最近の貴様の集中力のなさは目に余る。……何を隠しているのかは知らんが、学業とプライベートくらいのメリハリはつけろ」
「す、すみません……」
どうやら千冬には一夏が悩みを抱えていることくらいお見通しのようだ。
さすが姉といったところか。
思わず一夏が苦笑を浮かべると、周りの女子たちがざわざわと騒ぎ出した。

「え、オリムー何か悩んでるの?」
「早く言ってくれればいいのにー」
「私でよければ相談にのるよ!」

学園唯一の男子。加えてルックスも悪くなく、それなりにイケメンの部類にカテゴライズされる一夏。
当然、女子人気も高い。
皆心配そうに一夏に声をかけてくる。
そんなにわかに活気づく女子衆に対し、千冬は思い切り顔をしかめる。
いい加減注意してやろうと口を開きかけたそのとき。

コンコン、と軽めなノックが教室に響いた。

喧騒がピタリとやみ、皆の耳目が音の発した場所に集約していく。
そこは教室の出入口である扉。
千冬の返事も待たずして、扉は勢いよく開け放たれた。
「おじゃましまーす☆」

そこにいたのは子供だった。
見た感じ年齢は小学校高学年くらいだろうか。まだあどけなさを残している、小さな男の子だ。
白シャツ黒短パン、サスペンダーといったいかにもな小学生の制服のような服装をしている。
しかし、なぜこんなところに子供が?
クラス中が喫驚と疑問の渦に包まれる最中、千冬はただ一人だけ異なる反応を見せた。

「……予定の到着時刻よりまだ早いですが?」
「え、そうなの? いやぁーごめんごめん、うっかりしてたよ織斑先生」

わざとらしくすっとぼける少年のリアクションに、千冬は諦観のこもった眼差しを向ける。
……誰だ、このお子様は。
いきなり現れたかと思えばあの織斑千冬に馴れ馴れしくタメ口話しかける少年に、教室は再び騒然となる。
いったい何者なのか。その疑問は件の少年の口からすぐさま判明した。
「はじめまして、白鳳院ショウです。IS学園の皆さん、今日一日よろしくお願いします」
(っ!? こいつがさっき言って御曹司かよ?)

一夏はポカーンと口を開けてショウを凝視する。
情報ではまだ若いとは聞いていたが、まさか自分より年下だったとは。
仰天する一夏同様、クラスメイトらにも動揺が広がる。

「あの子が白鳳院の跡取り? まだ子供じゃん」
「あんな小さい子が御曹司だなんて……」
「でもけっこう可愛くない?」
「かわいー」
「むさいおじさんじゃなくてよかったー」

やがて驚きから冷めると、ショウの容姿の愛らしさに気づき、年頃の女子高生らしくきゃいきゃいとにぎわい始める。
確かに少年の見た目は愛らしい。ドラマの子役なんかでも十分に通用しそうなレベルである。
だが、一夏はどこか違和感を抱いていた。
ショウの目だ。ニコニコとクラスを見渡している、彼の瞳。一見愛想のよいただの笑顔に見えるが、瞳の中にいびつな影がちらついていた。
まるで女の子を一人一人値踏みしているかのような、視線で身体を舐め回しているかのような、いやらしくて不快なもの―――。

(いやいや何考えてんだ、アホらしい……)
首を左右に振りたくり、一夏は自身の妄想を打ち切る。
年下の子相手に何を勘ぐっているのだ。箒たちのこともあって、よほど自分は疲れているようだ。
――そういえば箒たちはまだ来ないのだろうか。
ショウの自己紹介を聞き流しつつ、一夏は箒・セシリア・シャルロットの姿を探す。席は相変わらず空席。昨日も外泊していて顔を合わすこともなく、何の連絡もされていない。今日は欠席するつもりなのだろうか。

「もう、ショウ様待ってよ〜」
「まったく、はしゃぎすぎだ」
「ふふっ。楽しそうですわねショウ様」


と、幼馴染らの身を案じる一夏の耳に聞きなれた声が飛んできた。
シャル、箒、セシリア―――たった今、一夏が思い浮かべていた彼女たちが次々と教室に入ってくる。
もはや唖然とするしかない一夏。そんな彼の胸のうちを代弁するかのように、青筋を浮かべた千冬が彼女らの前に立ちふさがる。

「連絡もなしに堂々と遅刻しておきながらその態度―――いい度胸だな篠ノ之、オルコット、デュノア?」

今にも噴火寸前といった鬼も裸足で逃げ出さんばかりな形相の千冬。が、しかしセシリアは涼しげなこれに応対する。

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