青と白の間で 6
その後もリビングで他愛もない会話をしながら、時間は過ぎる。
「あ、そうだ」
莉花が何かを思い出したように言う。
…コイツがこういう反応をしたら、嫌な予感がするのだが。
「最近、涼の部屋入ったことないなぁ」
…やっぱり!
「水沢くんの部屋?」
「うん」
青山さんも興味あるのか…?
「い、いや、別に、特に何もない普通の部屋だけど…」
「ホントかな〜?」
莉花がニヤニヤしながらこちらを見る。
「ホントだって」
「ふーん」
何が不服なんだお前は。
「でも、ちょっと興味あるかな」
青山さんがボソッと言う。
「ね、青山さんもそう思うよね、ね!」
莉花が調子に乗る…
「ま、まあ、気になるといえば…」
莉花に押され、戸惑いながら答える青山さん。
「ね〜、そうだよね〜」
僕に向かってニヤニヤと笑う莉花。
「あのなあ…」
「特に何もなかったら、どうしてそんなに嫌がるのかな?」
「うっ」
「まあまあ、白峰さん、あんまり水沢くんをいじめるのはよくないよ〜」
…青山さんは僕を助けてくれる…
「ふ〜ん…」
莉花がジト目で青山さんを見つめる。
…何をする気だ
「そりゃあ!」
「ひゃあっ!?」
莉花が青山さんを背後から羽交い絞めにし、両手で胸を掴む。
「やっ!?白峰さん!?そんな、あっ…」
「ふふふふ〜」
青山さんの胸を両手で掴んで、背後からモミモミする莉花。
「へへへ〜、青山さんの胸って大きくて柔らか〜い」
「ん…ちょっと、白峰さん、っ、ぁ、水沢くんが、見てる…ん」
「涼だってもっと見たいでしょ〜?」
…僕に振るな。
莉花の変な癖である。
仲良くなった女の子(特に美少女)に対する少々過剰なスキンシップ。
青山さんが莉花にとってそういう存在になったのは嬉しいが、目の前で見せ付けられているとたまったもんじゃない。