青と白の間で 14
「お、おはよう…」
こんな顔の莉花さんを見るのは、いったいいつ以来のことでしょうか…
可愛い、でも怖いです、正直。
「えへへへ」
何か照れてんのか?
いや、コイツが笑顔でいるのが珍しいんで、わかりません。
「さあ、涼、行くよぉ」
何か腕絡ませてきましたし。
あの時やったことで莉花の中に眠る何かを呼び覚ましたんだろうか。
僕にはよくわからない。
「水沢くん、白峰さん、おはよう〜♪」
後ろから声をかけられる。
「ああ、青山さん、おはよう」
「おはよう!」
おお、いつもは滅多に挨拶を返さない莉花が、青山さんに挨拶したぞ。
青山さんも笑顔だ。
…しかし、莉花もこんな顔するんだなと思ってしまう。
いや、今の莉花のほうがより魅力的な女の子に見える。
持ってる素材はいいんだから、今までがもったいなかったくらいだ。
…ただ、とたん教室に入ると莉花はまたいつもの仏頂面。
根本的なところは変わっていないのだろうか。
―授業はあっという間に過ぎ、放課後。
僕は部活の準備をしてそそくさと教室を出ようとする。
「涼、部活頑張ってね」
莉花に声をかけられ、振り向くとそこには満面の笑顔。
「お、おう」
…やっぱりあれから何か変わったのかな。
(ちなみに、莉花は部活は何もやっていない)
…その部活も終わり、帰ろうとしたそのとき。
「水沢くん♪」
「え…青山さん?」
あれ?青山さんって何か部活やってたっけ?
「ちょうどよかった、一緒に帰ろ!」
「あ、う、うん…何かやってたの?」
「図書室にいたの」