いけない!ユリ先生〜蒼樹紅の結婚生活〜 5
明るいリビングから身を隠すべく、コタツの中にすっぽり身を隠したワタシ。
オレンジ色の赤外線ランプに照らされたその中は、空気が乾燥して眼が乾いちゃうし、コタツ布団にしみついた体臭や足の匂いがこもって、なんだか息苦しいんデス。
でも、これ以上吉田サンに身をまかせちゃ、イケナイんデス。
だから、多少苦しくっても、我慢しなくちゃ♪
「…うう…あ、あれ…ゆ、優梨子さん?」
リビングから忽然と姿を消したワタシを、吉田サンが探し始めた気配。
みし、みし、みし…。
と、このコタツの周囲をゆっくり巡回して、あたりを確認してるみたいデス。
「優梨子さ〜ん…隠れてないで、出て来て下さいよ〜?」
って、いっこうにリビングから出ていかない吉田サン、なんだか執念深い感じなんデス。
コタツの内部のサウナ風呂のような暑さに、ワタシの全身から汗が噴き出し始めたときです。
Σがたがたッ。
…カタンッ。
そんな物音が、かすかに聞こえてきました。
「うん?……さては優梨子さん、ソコですか?」
そうつぶやく吉田サン、コタツから離れてく。
(…た、大変)
今の物音ってきっと、クローゼットに閉じ込めたカズタンが発した音のはずなんデス。
(イケナイ…このままじゃ、カズタンがそこにいるの、吉田サンにバレちゃう)
Σガ―ン(◎Д◎)
ワタシ、困っちゃいました。
だって、カズタンが失踪したのがウソだってこと、このままじゃバレちゃうんデス。
そうすると、
縛られて、サルグツワを噛まされたカズタンを発見される
↓
失踪がウソだったことが明るみになる
↓
当然、そうまでしてネームが進まないことを隠していたことまでバレる
↓
原稿が間に合わず、連載休止のお知らせが掲載される
↓
アンケートガタ落ち
↓
連載打ち切り
↓
世をはかなんで
↓
じ、自殺!!
…だ、ダメだわ。
(このままじゃ…このままじゃ、カズタンが死んじゃう)
…でも、どうしよう?
赤外線の暑さにぼうっとなりながら、ワタシ、必死で頭を働かせたんデス。
「!!」
そ、そうだワ♪
きっと、こうすれば…。
で、でも、それってすっごく、恥ずかしい思いつきなんデス。
(でも…でも、カズタンのためだもん)
ワタシ、意を決して、行動を開始したんデス…。
赤外線の熱気に蒸れた堀りコタツの中でワタシ、両足を踏ん張って、お尻を後ろにつきだすようなポーズをとった。
「あ、熱ッ!」Σ(〃>_<〃)
背中に電熱機のカバーが押しあてられて、思わず声をだしちゃった。
「…んん?…今のは」
今の声を聞きつけた吉田サン、コタツの方へ戻ってくるみたい。
(早くしなきゃ…早くしなきゃ、カズタンが見つかっちゃう)
背中の熱さを我慢しながらアタシ、狭いコタツの中、もぞもぞと、ヒザ上丈のスカートのスソを両手でつかみ、
がばっ♪
トイレの中みたいに自分で、スカートをまくった。
丸出しになった下着姿のお尻の皮膚が、じりじりとオレンジ色の光に焼かれていくのを感じながらワタシ、思いきって、
つるんッ♪
と、小さなパンティを、まるでゆで卵のカラを剥くみたいに、ひきおろしちゃいました。
そのまま、
「よいしょ♪」
と左右の足を順にあげ、素早くパンティを脱いじゃったんデス。
で、まくったスカートを元に戻し、お尻を隠してから、
(…カズタンを死なせないためなんだから、がまんしなきゃ)
そう自分にいいきかせつつ、眼をつむってワタシ、コタツ布団の外に手を伸ばして、脱ぎたてのパンティを放り出したんデス…。
「あ、こ、これは…♪」
くしゃくしゃの下着を目ざとく発見した様子の吉田サン、すぐさま床の上からそれを拾い上げたみたい。