AW―黒雪姫の堕落― 2
「さぁご主人様、私の純潔を奪って下さい。そして私を――身も心もご主人様のものにしてくれ。この契約で私をご主人様の永遠の奴隷としてくれ」
「ふふっ…構いませんよ、黒雪姫先輩は僕の――僕だけのものだ」
「あぁ、私の全てを貰ってくれ。愛してる…私だけのご主人様」
能美は黒雪姫から離れ、下卑た満足げな笑みを浮かべながら、しばしその痴態を眺めていたが……。
「お望み通り、隅々まで味わわせてもらいますよ、先輩」
やがて、たくし上げたスカートの中、露わになった恥部へと顔を近づけていく。
『なっ、何する気だ……やめろ能美』
未だ純潔を保つ黒雪姫の秘奥に、能美の舌が割って入る。
身を捩らせながらも、黒雪姫はそれを受け入れた。
「ふぁぁっ、はぁ、ああん…」
『あ、ああ……くそっ、くそ……!』
歓喜に打ち震える黒雪姫の矯正とは対照的な、絶望の呻きがハルユキの口から洩れる。
画面越しに映る見慣れているはずの教室の風景が、酷く歪んで見えた。
華奢な背中を仰け反らせ、そのまま押し倒されるように、黒雪姫は机の上に横になった。
そうしてようやく能美は彼女の下半身から顔を離し、代わりにいきり立つ自身の分身を押し付ける。
『待てよ……待ってくれよ……!』
焦燥感に苛まれるも、リアルタイムで映し出されるビジョンに、ハルユキは目を離すことができなかった。
あるいは、こんなビジョンに目もくれず、すぐに走り出して現場を突き止めていれば、違う未来が待っていたのかもしれない。
しかし、学園のマドンナと称されるはずの彼女の淫らな一挙一動が、彼をそうさせてはくれなかった。
「いいですか?先輩。入れちゃっても」
「ああ……。頼む。お願いだ……。」
舌でねっとりとほぐされた秘奥を、黒雪姫自身が両指で割り開く。
能美の竿が触れるだけで、画面越しにでも濡れた感触が伝わってくる。
「それじゃ、遠慮なく……っ」
そして能美は躊躇うことなく、根元まで一気に突き立てた。
こうして、ハルユキが守るべき人の純潔は、最も憎むべき男によっていとも容易く奪われてしまった。
「くそっ…くそぉ…っ!」
あまりのショックに思わず崩れ落ち、唇をかみしめるハルユキ。
そんな彼に、不意に後ろから声がかけられた。
「ごめんね、ハル…こんなことになっちゃって」
「チユ…」
果たしてそれは、ハルユキの幼馴染、倉嶋千百合だった。
「チユ…ごめんねって、一体…」
突然の幼馴染の登場に少し驚きつつも、ハルユキはその言葉の真意を問いかける。
「能美に言われたの。黒雪姫先輩を、僕の所に連れてこいって」
「チユが…?」
「なんとなく嫌な予感はあったんだ…でも、私は逆らえなかったの」
千百合はチラリと、能美と黒雪姫の交わりが流れ続けている画面に目をやりながら言葉を続ける。
「黒雪姫先輩も、私の紹介ってことで油断してたのかな。こんなにあっさり、策略にはまっちゃうなんてね」
「そ、そんな……」
ハルルキは半ば呆然とした気持ちで、千百合とともにその画面を眺め続けるしかできなかった。
「動きますよ……先輩」
能見は己の欲望のまま、破瓜の血が滴るのにも目をくれず、黒雪姫に腰を打ち付ける。
「はぁっ…はぁっ…すごい、こんなに奥まで……ふぁぁぁっ」
だがそれにも関わらず、黒雪姫は幸福そうな嬌声を上げた。
みるみるうちに愛液が潤い、破瓜の血と混じりあって流れていく。
「なんで…先輩、あんな…」
あの凛とした先輩が、信じられないほどの恥態を晒しながら、能美にすべてを捧げている。
とても作り物とは思えない、鮮明なビジュアルを見せ付けられ、ハルユキはただ呆然と見ているしかできない。
その横で、千百合は淡々と語り始めた。
「能美はね……加速研を通じて、プレイヤーを『調教《テイム》』する手段を見つけてしまったの」