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月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎとプリンスデマンド 52

もしかしたら、あたしも政略結婚なのかもしれない。
みんなの無事と引き換えに、あの人の妃になると、そう誓った

『どんな手を使っても手に入れたかった』

あの時に妃になると誓わなければ、他の手を使って、あたしを手に入れていたのかもしれない
アロン、マナ…………!
あの子たちを産まなければ良かったとは思わないけど、あたしがデマンドと結婚したせいで ちびうさが…………!
「ねぇ、あなたはご両親と暮らしているの?」
ふと思ったことを聞いてみる

「え、わたくしですか?
わたくしは彼と同棲しております」
「いいな〜!羨ましい!」
うさぎはまだまだ年頃の女の子で、この手の話しは大好きだった

「羨ましい、だなんてっ! わたくしはプリンセスが羨ましいですっ」
「へ? どうして?」
うさぎは理解が出来なくて、キョトンとした表情をしている

「この通り、毎日仕事と家事に追われております。仕事から疲れて帰って、彼にご飯を作って……。そんな毎日です。プリンセスならご自分で掃除、洗濯、お料理なんてする必要がないじゃないですか! いつもキレイな服を着て、豪華なお食事をなさっていらっしゃる、、そんなイメージで、わたくしたちみたいに生活に、お金に困ったりしないでしょう」
「………………」
それでも、うさぎには羨ましく思えた。
好きな人の側に入れて、好きな仕事をして。
ドジなうさぎに出来るかは別として、素直に羨ましかった

「それでも…………あたしには羨ましいよ……!」
小さな声でそう言った

美容師がうさぎの髪を切り続ける。

うさぎには、この美容師がとても羨ましかった。
なのに美容師さんはあたしを羨ましいと言う。
あたしは、ただ好きな人の側にいれて、友だちにも自由に会えて、両親にすきな時に会える。それだけでも羨ましい

うさぎがデマンドの元で暮らしてから、両親には会っていない。
うさぎは知らないが、デマンドがうさぎの居場所を完全に無くすために、月野家の人々からうさぎの記憶を消した。
うさぎには帰る家がもう無い。
うさぎに許されるのはデマンドの元で暮らすことのみ。
自由に城から出る事も、自由にアロンとマナと遊ぶ事も許されない。
いつも誰かに見張られている。
好きな事といえば、自分のドレスを自由に選べるようになったくらいだ。
うさぎは気付いてないが、同じドレスを二度着ることはない。
似たデザインのドレスを着ることはあっても、毎日違うドレスを着ていた。





そういえばデマンド、みんなに会わせるとあたしが離れていきそうで怖かった、と言っていたわね……
っ!…………じゃあ、女友だちにも嫉妬していたの!?
デマンド、そんなにあたしが離れていきそうで不安だったの……?


………………お城に戻ったら、彼とゆっくり話しをしよう。
あたしの旦那様だもの!
きっと話せば分かってくれる。

「プリンセス、終わりましたよ」
「は〜い!」
声をかけられて、うさぎは正面の大きな鏡を見る

「あり?」
前と同じベリーショートになっていた
「どうかなさないましたか?」
美容師さんが恐る恐る訪ねてきた
「あの〜長さを揃えて欲しいと……」

「! まぁ!申し訳ありません!どういたしましょうっ」
慌てふためく美容師

「どうかしたのか?」
デマンドがゆっくり近付いて来た
「デマンド………」
「デマンド様……! 申し訳ございませんっっ」
美容師がデマンドに深々と頭を下げた

「? 何があったのだ?」
状況を把握出来ない
「間違えてプリンセスの大事な髪を切り過ぎてしまいましたっっ!」
デマンドがゆっくりとうさぎを見る
前と同じベリーショート
彼女によく似合っているが…………

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