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月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎとプリンスデマンド 46

サフィールは廊下からうさぎの病室での様子を見ていた。

(セーラームーンには…。城にいるより居住区で仲間達と一緒にいるのが賢明なのかもしれない…)

「あの…。月野さんのご家族の方ですか?」
リアンがサフィールに声をかけた。

「あ、はい…」
「お会いになってはいかがですか?」
「いいえ、用事があるので失礼いたします」
サフィールは病室を去った。

その頃、デマンドのカウンセリングが行われていた。

「旦那様は弟さんがいらっしゃって、ご両親は小さい頃に亡くされているということですね」
「はい…。そのことがあって、私は小さい頃から早く結婚して王子や姫を作りたいという気持ちがありました」
「そうですか…。そういえば先ほど私と一緒にいた精神科医のクオーレからもお聞きしたのですが、奥様とご友人の方達をこちらに招くことはしていないそうですね…?」
「そ、そうです…。妻の友人達を招いたり会わせることで妻が離れていくような気持ちになるのです…」
「そうでしたか…。幼少の頃は誰かに甘えることはできなかったのですか?」

《寂しく………なかったの?》
かつて言っていたうさぎの言葉だった。
「寂しい…。妻のいない城なんて!!」
デマンドの目から涙がこぼれた。

「…わかりました。これでカウンセリングを終了いたします。失礼します」
ゲミュートは客室を出た。

その頃、うさぎの病室ではレイ達がいた。

「そういえば、うさぎちゃん。あたし昨日ここに来て髪の毛を梳かしたけど、髪の毛伸びた?」
「あ…。うん、入院してから髪の毛が少し伸びたかなって…」
うさぎの髪の毛は肩につくくらい伸びていた。

「こういうのって、何かの前兆かしら…?」
「あ、亜美ちゃん…。偶然よ、偶然!」
「レイちゃん?どうかした?」
「…今日、みんなと待ち合わせする前に占ってみたら…これから大きな力が働くみたいなの」
レイの一言に他の4人は驚いた。

その頃、デマンドは客室にいた。
《私の口から…。『寂しい』なんて…》

ボヌールは客室のドアをノックした。
「デマンド様。入ってもよろしいですか?」
「ああ…」

ボヌールは客室に入り、ドアを閉めた。
「精神科医達はどうした?」
「先ほどお帰りになりました」
「そうか…。見苦しい所を見せてしまったな…」
「いいえ…。デマンド様は今まで誰かに素直に自分自身のお話をなさったことがなかったのでしょう。誰かに話をすることによって、自分の本当の気持ちを知ることができてよかったと思いますよ」

《そういえば、私はセレニティの気持ちを考えたことはなかった…。父上や母上のように、いつか離れてしまうことが何よりも怖かった…》
「デマンド様?いかがなさいましたか?」
「…ああ。ボヌール。頼みがあるのだが、いいか?」
「はい、なんなりと」

その頃、うさぎ達は病室にいた。

「うさぎは明日退院なの?」
「うん…」
「そっかぁ。明日は学校があるから、その間に退院してお城に戻っているんだね」
「うん…。まこちゃん、サンドイッチとクッキーおいしかったよ。ありがとう」
「どういたしまして」

リアンが病室のドアをノックした。
「はい」
「あの…、愛野美奈子さんはいらっしゃいますか?」
「はい。私です」
「月野さんが住んでいらっしゃるお城のボヌールさんという方からお電話です」
「えっ、はい」
「ナースステーションはあちらです」
「ありがとうございます」
美奈子は礼を言って、ナースステーションに向かった。

「月野さん…。1時間ほど前に月野さんのご家族の方がいらっしゃったのですが、すぐに帰ってしまったんです」
「えっ、誰…ですか?」
「藍色の短髪の男性です」

《藍色の短髪の男性…。サフィール…!?》
「月野さん?」
「あっ、私の夫の弟です…」
「そうですか…。すぐに帰ってしまって、どなたかわからなかったので月野さんに聞きに来たんです」
「そうですか、ありがとうございます」
「いよいよ明日は退院ですね。本日の旦那様のカウンセリング終了後の件で精神科医から月野さんとお話をしてすべて終了となります」
「はい…」

美奈子が戻って来た。
「みんな、お待たせ〜。さっきのボヌールさんからの電話で明日の夜6時にうさぎちゃんの退院お祝いをしたいからセーラー戦士の皆さんをお城に招待したいので夕方5時に火川神社にお迎えに行くって言ってたわよ」
「えっ、本当!?」
「ボヌールさんの粋な計らいってやつだね」
「ボヌールさん…」
うさぎの目から涙がこぼれた。

「ちょ、ちょっと泣かないでよ。うさぎ!」
「だって〜…」
「うさぎちゃん、明日ね」
「美奈子ちゃん…。みんな、今日はありがとう」
レイ達は帰って行った。

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