月野うさぎとプリンスデマンド 45
「美奈子ちゃん…。うさぎは元気なんですか?」
「もちろんです。みなさんのお顔を見れば少しは元気になると思います」
「じゃあ、このクッキーを食べたらうさぎちゃんは元気になってくれるかな。みんなの昼食用にサンドイッチを作って来たよ。うさぎちゃんも食べたがるかもしれないから少し多めに作って来たよ」
まことはクッキーとサンドウィッチを作って持参して来たのだ。
「さすがまこちゃんね…。うさぎは食べるのが好きだからね」
「さあ、皆さん。出発いたしますよ」
「はい!」
ボヌールとセーラー戦士4人は車に乗った。
その頃、うさぎは30分ほど前に昼食を済ませていた。
その様子をエスメロードが見ていた。
「うふふ…」
「エスメロード、何をするつもりだ?」
そこにはサフィールがいた。
「サフィール!?」
「変身もしていないセーラームーンを襲うなんてフェアじゃない」
「ちっ…!」
エスメロードはテレポートしてこの場を去った。
(胸騒ぎがしたのはエスメロードのことだったのか…?いや、それだけじゃない気がする…)
サフィールはテレポートして城に戻った。
その頃、レイ達はうさぎの病室に到着した。
美奈子は病室のドアをノックした。
「はい…」
「うさぎちゃん?美奈子です。みんなも来ているんだけど、入っても大丈夫?」
「うん…」
美奈子は病室のドアを開けた。
「みんな、久しぶりだね」
うさぎは笑顔で迎えたが、美奈子以外の3人はうさぎの髪が短くなっていることに少し驚きつつも病室に入った。
「うさぎ、髪…切ったのね」
レイはうさぎの髪の毛を触った。
「うん、ちょっと気分転換にいいかなって…」
「…うさぎちゃん。実は美奈子ちゃんから今日初めて聞いたんだけど、衛さんのことを忘れようとして髪の毛を切ったんですってね」
「亜美ちゃん…。うん」
「うさぎちゃん。クッキー作って持って来たからみんなで食べようか」
「うん!あれ、みんなお昼は食べたの?」
「ううん、だからクッキーとサンドイッチを作って持って来たんだ」
まことはクッキーとサンドイッチを出した。
「さっき、売店で紙コップと大きいペットボトルの紅茶とミックスジュースを買って来たの」
亜美は買って来た飲み物を用意した。
「うさぎちゃんもサンドウィッチを食べたくなると思って少し多めに作って来たよ」
「どんどん話してよね。うさぎ」
「うさぎちゃん、今日はじゃんじゃん楽しもう!」
「うん…。みんな、ありがとう…」
うさぎは思わず泣いてしまった。
「ご、ごめんね。嬉しいのに…。笑顔でいようって決めてたのに…」
「うさぎ…」
「さ、さあ。食べようか」
その頃、城ではデマンドのカウンセリングが始まろうとしていた。
ボヌールは客室のドアをノックした。
「はい」
「デマンド様。精神科医をお連れしました」
「どうぞ」
ボヌールはドアを開けて二人の精神科医を客室に通し、追って入室した。
「デマンド様。こちらの女性の精神科医がプリンセスの担当でクオーレ先生です」
「初めまして。クオーレです。よろしくお願いします」
「男性の精神科医がデマンド様の担当のゲミュート先生です」
「初めまして。ゲミュートです。よろしくお願いします」
「ど、どうも…。デマンドです。妻がお世話になっております…」
デマンドは少し緊張していた。
「クオーレ先生。食堂でカウンセリングが終わるまでの間、お待ちになってはいかがですか?ご案内いたします」
「は、はい」
ボヌールとクオーレは客室を出て、食堂に向かった。
「それでは、カウンセリングを始めましょうか」
「はい…」
その頃、うさぎ達は病室にいた。
「うさぎちゃん、みんなサンドイッチ食べたから残りの1個食べていいよ」
「本当?いただきまーす」
うさぎはサンドイッチを食べた。
「おいしい…。まこちゃんの作ったサンドイッチ…」
うさぎはサンドイッチを食べながら涙を流した。
「うさぎちゃん?ごめん、口に合わなかった?」
「ううん。お城で食べるのもおいしいけど、まこちゃんの作ったサンドイッチの方がずっとずっとおいしいよ…」
うさぎはサンドイッチを1個食べた。
「クッキーもどうぞ」
まことはクッキーを出した。
「うん…。いただきます…」
うさぎはクッキーを1個取って食べた。
「おいしい…。クッキーもおいしいよ…」
うさぎはクッキーを1個食べた。