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月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎとプリンスデマンド 43

「デマンド…。泣いてるの?」
「え…?」
「…心配かけて…。ごめんね」
「私の方こそすまない…。タキシード仮面のことで、お前の大事な長い髪の毛を切ることになってしまって…」
デマンドはうさぎの髪の毛に触れた。

「ううん…。今まで髪の毛を切る勇気がなかったの…」
「…セレニティ」
「ん?」
「今日…エスメロードから聞いたのだが、タキシード仮面とは婚約していないそうだ」
「そう…なの。アロンとマナは元気?」
「ああ、元気だ」
「そう…。よかった」
うさぎは少しだけ笑顔になった。

「明日…カウンセリングが終わったらまたここに来る。おやすみ」
「うん、おやすみなさい」
デマンドは城にテレポートした。

(なんか今日のデマンド、優しかったな…)
うさぎはベッドに入り、眠りについた。

その頃、デマンドは寝室に戻って来た。
(少しだが、セレニティの笑顔を見られてよかった…。明日会う時には…)

「フフフ…。あなたに笑顔など似合いませんよ…」
デマンドは突然誰かの声を耳にした。

「誰だ!?」
寝室にはデマンドしかいないこともあり、静かである。

「気のせいか…」
「兄さん?どうかしましたか?」
サフィールは寝室の中から話しかけた。

(どこかで…聞き覚えのある声だ…。一体、誰なんだ…!?)

「兄さん?入りますよ」
サフィールは寝室のドアを開けた。

「あ、ああ…。大丈夫だ」
「お姉さんの様子はいかがでしたか?」
サフィールは寝室に入り、ドアを閉めた。

「ああ、セレニティの顔を見られて安心した」
「よかったですね。…兄さん。『しばらくお姉さんに会わない方がいい』なんて言って、すみませんでした」
「ああ…、いや」
デマンドは謎の声の主が気になっていた。

「どうかしましたか?」
「いや、今日はもう休む。おやすみ」
「おやすみなさい」
サフィールは寝室を出た。

(兄さん、なんだか様子がおかしかった…。それになんだか胸騒ぎがする…)

その頃、デマンドは寝間着姿でベッドに入っていた。
――ある二人の王子の会話である。

《父上…。母上…》
父親と母親を亡くした一人の王子が泣いている。

《泣くな、サフィール》
もう一人の王子は涙をこらえている。

《私は…早く結婚をして王になりたい!そして…王子と姫を得て、幸せになるんだ!》
《に、兄さん…》

《もちろん、サフィールも一緒だ》
兄は弟の頭をなでながら、慰めた。

《兄さん…。ありがとう…》

デマンドは目を覚ました。
「ん…。朝か…」

デマンドはゆっくりと起き上がった。

(昨夜から聞き覚えのある声…。一体…、誰なんだ…?)

デマンドは寝間着から服に着替えた。

その頃、うさぎは目を覚ましたところであった。
「ん…。ん〜?あっ、今日はみんながここに来るんだ!」

(みんなが来るのは嬉しいけど、退院したらもうみんなに会えないかもしれない…)
リアンは病室のドアをノックした。
「はい」

リアンはドアを開けた。
「月野さん、おはようございます」
「おはようございます」

リアンはドアを閉め、病室に入った。
「調子はいかがですか?」
「はい、大丈夫です」
「入院なさってからは顔色もいいし、ご飯も残さず食べていらっしゃるようなので明日になったら退院できますよ」
「え…。退院…?」
「あっ、旦那様のことですか?」
「はい…。あっ、昨日ここで明日のカウンセリングの予約をしてしまったのですけどキャンセルした方がいいですよね…?」
「そちらの件は今日の旦那様のカウンセリング次第なので、何かありましたら再びカウンセリングを受けることも可能ですよ」
「そうですか…。では明日のカウンセリングはキャンセルします」
「わかりました」
リアンはメモを取った。
「今日…。私の友達がお見舞いに来るんです」
「そうですか。いっぱいお話ができるといいですね」
「はい。ありがとうございます」

配膳車が通る音が聞こえた。
「…あっ。今、配膳車が来たようなのでお食事をお持ちしますね」
「はい」

リアンは朝食を取りに行った。

(やっとみんなに会える…。みんなに会うからには明るいうさぎちゃんでいないとダメなのよ!)
うさぎは気合を入れた。

「月野さん、朝食をお持ちしました」
「はっ、はい!」
リアンはうさぎのテーブルに朝食を置いた。

「あ、ありがとうございます!」
「何かありましたか?」
「い、いいえ!(もしかして見られた?)」
「(うふふ。おもしろい人ね)では、失礼いたします」
リアンは病室を出た。

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