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月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎとプリンスデマンド 42

「あっ、デマンド様!」

エスメロードはふと、うさぎと美奈子がいる病室をちらりと見た。
「幸せそうなお姫様ね…」

エスメロードはテレポートしてこの場を去った。

その頃、うさぎと美奈子は病室にいた。

「明日はみんなと一緒にデマンドのカウンセリングに合わせて来るからね」
「うん。今日は本当にありがとう」
「じゃあね、元気出してね」
「うん、バイバイ…」
美奈子は病室を出て、帰って行った。

(明日はデマンドのカウンセリング…。大丈夫かな…?)

うさぎは外を見つめた。

その頃、デマンドとサフィールは城の庭にいた。
「兄さん。明日は精神科医がいらっしゃいますので、失礼のないようにしてくださいね」
「失礼?もちろんそのつもりだ」
「精神科医に何かを聞かれたり言われたりしたからといって逆上して手をあげたり、暴言を吐くのは禁止です。それと敬語での受け答えが少しでもできるかどうかが心配です」
「敬語?」
「最低でも『はい』『いいえ』『何々です』などの言葉を使った方がいいです」
「……ああ。気を付ける。中に入ろう」
「はい」

デマンドは城の中に入って行った。
「(本当に大丈夫かな…)」

その頃、うさぎは外をずっと眺めていた。

(あたし…。退院したら、お城に戻るのね…。そしてみんなにも二度と会えなくなる…!!)

うさぎの目から涙がこぼれた。

(あたし、どうしたらいいの…!?)

リアンが病室のドアを叩いた。
「はい」

うさぎは涙を拭った。
「月野さん、お食事の時間です」

リアンはドアを開け、うさぎの所に食事を持って来た。
「どうぞ」

リアンはテーブルに食事を置いた。
「あっ、ありがとうございます…」
「どうかなさいましたか?」
「えっ…?いいえ」
「眼を見たら赤くて泣き腫らしたような跡があるのでもしかしたら思いまして…。何かございましたか?」
「いいえ、大丈夫です…」
「そうですか?何かありましたらいつでも声をかけてくださいね」
「はい、ありがとうございます」
「では、失礼いたします」
リアンは病室を出た。


(ダメ…。心配されるとつい言ってしまいそうになる…。デマンドのことも心配だけど、退院してもみんなに会いたいよ…!!)
うさぎの目から涙がこぼれた後、お腹が鳴ってしまった。

「あっ…。ご飯食べよう…。いただきます」
うさぎは夕食を食べ始めた。

その頃、デマンド達も食堂で食事をしていた。

(セレニティとは直接会うことはできなかったが、セーラーヴィーナスと楽しそうに話をしていたことを踏まえると元気なのは間違いない…。ボヌールが言っていた『心の病気』というものはただの思い過ごしだったのだろう…)

「兄さん…。兄さん!」
「あ、悪い…。なんだ?」
「さっきから全然食べていないですよ。少しは食べないと…」
「ああ、わかっている…」
デマンドはスープを一口飲み、パンをちぎって食べた。

(セレニティは毎日何を食べても「おいしい」と言っていた…。初めて城で食事をした時も…)

《このビーフシチュー、おいしい!》
《高級な野菜に牛肉を使用しているからな》
《このパンもおいしい!》
《パンをはじめとした主食、米や麺などもすべて高級食材を使用している》
《へ〜、すご〜い》

(セレニティ…)
デマンドは食事の手を止めた。

「ご馳走様」
デマンドは少し夕食を残した。

「デマンド様、もうよろしいのですか?」
「ああ。もういい…」
デマンドは席を立ち、食堂を出た。
「デ、デマンド様…」
「…ボヌール。ご馳走様でした」
サフィールはデマンドの後を追った。

「兄さん!」
デマンドは立ち止まった。

「すまない…。私はやはりセレニティが心配だ…。今からでも会いたい」
「兄さん…」

「わかりました」
そこにはボヌールがいた。

「ボヌール…。本当に…いいのか?」
「はい」
「兄さん」
「…わかった。…ありがとう…」
二人の後押しもあり、デマンドはうさぎの病室にテレポートした。

その頃、うさぎは夕食を済ました後であった。

「セレニティ!」
デマンドはうさぎの病室に着いた。

「デマンド!?」
デマンドはうさぎの所に行き、後ろから抱きしめた。

「デマンド…?」
「体は…なんともないか?」
「うん…。異常なしだったよ」
「そうか…。よかった…」
デマンドの目から涙がこぼれた。

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