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月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎとプリンスデマンド 40

「月野さん?」
「私…。彼と付き合っていた頃はお団子頭にしていて、髪が長くてきれいなことを褒められていたんです…。夫のことを思い、彼のことを忘れないといけないと思ってお城の専属の美容師さんに頼んで髪を切ってもらったんです。もちろん夫には彼のことがあって髪を切ったことは言っていないのですが、夫を好きな女性が今朝現れて『髪を切ったのは失恋したからではないか?』と言われたのを聞かれたかもしれないです」
「図星…だったということですね」
「はい…。髪を切ったからといって忘れられることなんてできないんですね…」
クオーレはうさぎと話した内容を用紙に書いていった。

「わかりました。旦那様の担当医師にお伝えいたしますね」
「はい…。よろしくお願いします」
うさぎの涙は止まらなかった。

「失礼いたします」
クオーレは病室を出た。
(まもちゃん…)
うさぎは泣きながら眠りについていった。

その頃、城ではボヌールは美奈子に電話をかけていた。

「もしもし、愛野です」
「ああ、もしもし。プリンス・デマンドの執事のボヌールです。美奈子さんはいらっしゃいますか?」
「あっ、私です」
「お久しぶりです。実はですね…」
ボヌールは今朝の出来事を話した。

「…なので、明日か明後日に他のご友人達の都合が合えばプリンセスに会っていただけないでしょうか?」
「もちろんです。他のみんなの都合を聞いて、連絡しますね」
「はい、よろしくお願いいたします。 失礼いたします」
ボヌールは電話を切った。
「なるほど。野暮用とはこのことか」
デマンドはその話を聞いていた。

「デ、デマンド様!いつから聞いておられたのですか?」
「『明日か明後日に他のご友人達の都合が合えばプリンセスに会っていただけないでしょうか?』の辺りからだ。貴様、セレニティをセーラー戦士達に会わせるために検査入院と言って居住区の大学病院に入院させたのか?」
「まあ、それもありますね」
「何っ?」
「セレニティは居住区に来てご友人とお話をしてから戻って来た時、泣きながら車に戻って来たことをお忘れではないですよね?」
「あっ…」
デマンドはうさぎとボヌールと一緒に居住区に来たことを思い出した。

「あの様子だと今までプリンセスはご友人達と会う機会が設けられなかったのではないかと感じられました。タキシード仮面やご友人達に会わせたくない気持ちもわかりますが、もう少しプリンセスの気持ちを考えることも大切だと思いますよ」
「……」

その頃、うさぎは病室で目を覚ました。
「ん…。そっか…。…また眠っちゃったんだ」

リアンが病室のドアを叩いた。
「はい」
リアンは病室のドアを開けた。
「失礼します。カウンセリングはいかがでしたか?」
「ああ…。緊張しました」
「そうですよね、お疲れ様でした。こちら午前中に行った検査結果です」
リアンは検査結果用紙を出した。

「ありがとうございます」
うさぎは検査結果用紙を受け取った。

「身体的な異常はなかったのですが、どこか精神的に疲れている部分があるのではないかと精神科医からお聞きしました」
「えっ、疲れている…?お城に住んで1年以上経って、乳母や執事もいて料理や子育てとか色々やってもらったりしているんですけど…」
「日々が充実していたとしてもそれが負担、ストレスとなる場合があるそうです」
「ストレス…?あっ…」

(アロンとマナを妊娠して出産までの間、仮死状態になっていたことがストレスってこと…?)
「月野さん?」
「あっ、いいえ…」

(デマンドに仮死状態されていたなんて、言えない…)

「明日は旦那様のカウンセリングがありまして、精神科医が明後日またカウンセリングの時間を設けたいというお話があったので何時をご希望いたしますか?」
「あっ…。今日と同じ…13時でお願いします」
「わかりました」
リアンはメモを取った。

「どうかなさいましたか?」
「あ、いいえ…」
「何かありましたら、呼んでくださいね」
「はい…」
「失礼いたします」
リアンは病室を出た。

(なんで…?仮死状態だったことを思い出したら急に怖くなった…)

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