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月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎとプリンスデマンド 39

リアンは病室のドアをノックし、食事を持って来た。
「失礼いたします。月野さん、お食事をお持ちしました」
「わ〜い、ありがとうございます!」
うさぎは食事を受け取った。

「いただきまーす」
うさぎは食事を始めた。

「プリンセス、お食事中に申し訳ありません」
「はい?」
「以前会ったご友人の名前と住所と電話番号をこちらのメモに書いていただいてよろしいですか?」
「はい」
うさぎは食事の手を止めた。

「すみませんね」
「いいえ〜」
うさぎはメモに美奈子の名前と住所と電話番号を書いた。

「はい」
うさぎはボヌールにメモを渡した。

「ありがとうございます。それでは失礼いたします」
ボヌールは病室を出た。

(ご飯食べたらカウンセリングかぁ…。初めてだし、うまく話せるかな…)
その頃、城の食堂でも昼食の時間であった。
乳母がボヌールの代わりに食事の準備をしている。

「お待たせしました。クラブハウスサンドでございます」

「ありがとう。兄さん、食べましょうか。いただきます」
「…ああ。いただきます」
デマンドはクラブハウスサンドを口にし、食べた。

(セレニティのいない食事…。アロンとマナの妊娠・仮死状態以来か…)

《おいしい!》
デマンドはうさぎの席を見た。
「セレニティ…」

その頃、うさぎは食事を終えて精神科医を待っていた。
リアンは病室のドアをノックした。

「どうぞ」
「失礼いたします」
リアンと二人の精神科医が病室に入って行った。

「ご紹介いたします。こちらの女性の精神科医が月野さんの担当でクオーレ先生です」
「初めまして。クオーレです。よろしくお願いします」
「男性の精神科医が月野さんの旦那様の担当のゲミュート先生です」
「初めまして。ゲミュートです。よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします」
「月野さん、そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ」
「はい…。私の夫がゲミュート先生に失礼なことを言ったりしないかなって…」
「ご心配なく。旦那様も奥様のことで悩んでおられるかもしれないですね」
「そうかもしれないです…」

「あっ、そろそろお時間ですね。クオーレ先生、よろしくお願いします」
「はい」

「失礼します」
「落ち着いて話をしてくださいね」
ゲミュートがうさぎを励ました。

「はい、ありがとうございます」
リアンとゲミュートは病室を出た。

「では、始めましょうか」
「はい…」
その頃、ボヌールは城に帰って来た。
「ふぅ…」

「遅かったな、ボヌール」
デマンドがボヌールを出迎えた。

「ただ今帰りました。ちょっと野暮用がありまして」
「(野暮用?)」
デマンドとボヌールは城の中に入って行った。

「明日の13時なのですが、城でデマンド様と精神科医が話し合うカウンセリングというものをしていただきます」
「精神科医と話し合うカウンセリング?セレニティもそれを受けているというのか?」
「左様でございます。…人は誰かにお話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になると思います。なのでデマンド様もプリンセスと同じように友人や家族の誰かに話を聞いてもらうことが大切なのではないでしょうか?」
「友人…」

その頃、うさぎのカウンセリングが行われていた。

「月野さんの家族構成はお父様とお母様と弟さんと月野さんの4人ですね。今は結婚してお城に住んでいて、旦那様と男女の双子のお子様がいらっしゃるんですね」
「はい」
「お城の中にご友人を招いておられるのですか?」
「…いいえ。昨日、夫と執事と一緒に居住区に来た時に偶然女友達に会いました。妊娠前から昨日まで一度も会っていませんでした」
「そうですか。ご友人とは1年ぶりに再会したのですね。他に変わったことはありませんでしたか?」
「…実は夫と結婚する前に付き合っていた彼がいたのですが、夫の強いアプローチがあって別れることになりました」
「そうですか。結婚して変わったことはありま したか?」
「夫は私の女友達や付き合っていた彼がお城に来ても、私に会わせてくれません。だけど、昨日居住区に来た時に執事が機転を利かせてくれて私と女友達と一緒に少しだけ話ができました。話をしていてもまた会えないことがわかっていたので泣きながら別れたんです」
「そうですか、つらかったですね。付き合っていらした彼とは結婚してからお会いしたことはあるのですか?」
「はい…。昨日お城の門の前に来ていました。少しだけ話をしましたが、夫に止められました」
「それで…、どのようなお話をされたのですか?」
「『短い髪も似合ってる』と言われました」
うさぎの目から涙がこぼれた。

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