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月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎとプリンスデマンド 38

「プリンセスは終始泣きながら『デマンドにはまだ、まもちゃんのことを忘れられないことを知られたくない。デマンドが怖い…』とおっしゃり、怖がっておられました…。…ちなみに『まもちゃん』というのは…?」
「地場衛。セレニティがかつて付き合っていたタキシード仮面のことだ」
「左様でございますか…。プリンセスはそれ以上話してくれなくて収拾がつかず、検査を兼ねて入院をすることが決まりました」
「…そうでしたか」

「私は認めないぞ!今すぐセレニティを連れ戻す!」
デマンドは食堂を出ようとした。

「デマンド様!」
デマンドは立ち止まり、ボヌールの方を向いた。

「怖がっておられるお方を無理やり連れ戻そうとするのはどうかと思いますよ?」
「フッ…、セレニティは調子が悪ければすぐに私に言うはずだ。アロンとマナを妊娠した時だってすぐに私に言ってくれたではないか」
「心の病気…とは考えられませんか?」
デマンドはボヌールの一言に驚いた。
「心の…病気だと…?」
「それはまだわかりませんが、その可能性もあります」

乳母が食堂のドアをノックした。
「どうぞ」

乳母は食堂のドアを開けた。
「失礼します、姫様の着替えが入っているバッグをお持ちしました」
「ありがとうございます。これから居住区の大病院に行って参ります。アロン様とマナ様をよろしくお願いいたします」
「はい…」

ボヌールはうさぎの着替えが入っているバッグを持って食堂を出た。

「兄さん。こんな時に言うのは不謹慎だと思うのですが、一度お姉さんと離れてみた方がいいと思います」
「……」
「デマンド様。アロン様とマナ様の所に行きましょうか」

「あ、ああ…」
「僕も一緒に行きます」

デマンド、サフィール、乳母はアロンとマナがいる部屋に行った。

(アロンとマナ、なんだか久しぶりに会う気がする…)
アロンとマナは揺りかごの中で気持ちよさそうに眠っている。
「眠っていましたね」

デマンドは揺りかごの近くに寄った。
「アロン、マナ…。今日はお母様を連れて来ることができなくて、すまない…」

「兄さん…」
「デマンド様…」

その頃、うさぎは病衣を着て大病院の個室の内科病棟・707号室のベッドの上にいた。

「あ〜…。検査疲れた〜…」
うさぎのお腹が鳴った。

(そうだった…。あの時倒れて、デマンドにベッドまで運んでもらって…。その後、色々なお医者さん達が部屋に入って来たんだった…。お城で色々聞かれたけど、デマンドのことがあって何も答えられなかった…)

誰かが病室のドアをノックした。
「どうぞ」
「調子はいかがですか?プリンセス」
ボヌールがうさぎの着替えが入っている大き目のバッグを持って来た。

「ボヌールさん!ありがとうございます」
うさぎはボヌールから大き目のバッグを受け取り、椅子に置いた。

「元気そうでよかったです」
「なんか、ここに来てから気分がいいんです。…デマンドのことで、我慢しすぎちゃったのかな…」

再び、誰かが病室のドアをノックした。
「どうぞ」

「失礼いたします」
女性の看護師が入って来た。

「担当看護師のリアンといいます。月野さん、検査お疲れ様でした」
「は、はい。(なんか久しぶりに『月野さん』って呼ばれた気がする…)」
「今日のこれからの予定ですけど、昼食後の13時から精神科医からのカウンセリングを実施する予定です。詳しいことはこちらの用紙に記載されておりますので目を通しておいてください」
「はい」
「何かご不明な点はございますか?」
「あの…。カウンセリングって私以外の家族も受けられるのですか?」
「はい。受けられますよ」
「明日なんですけど…。夫がいるお城に行って、カウンセリングをしていただけませんか?私がいなくなって混乱していると思うんです…」
「姫様…」
「わかりました。ご安心ください」
「よろしくお願いします」
うさぎは頭を下げた。

「私の方からもよろしくお願いいたします」
ボヌールも頭を下げた。

「は、はい…。明日のお城でのカウンセリングのお時間はいかがいたしましょうか?」
「そうですねぇ…。13時でお願いいたします。よろしいですか?プリンセス」
「はい」
「わかりました。精神科医にお伝えいたします」
リアンはメモを取った。

「あ、失礼いたします」
リアンは病室を出た。

「お優しいですね。姫様」
「そ、そうですか?…あ、12時だ。お腹空いた〜…」


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