PiPi's World 投稿小説

月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

の最初へ
 34
 36
の最後へ

月野うさぎとプリンスデマンド 36

「お待ちしていましたよ。プリンス、サフィール様。今準備いたしますので少々お待ちください。…プリンセス。入浴の準備ができておりますので、先に入って来てはいかがですか?」
「ありがとう、ボヌールさん。じゃあ、お風呂に入って来ます」
「ごゆっくりどうぞ」

うさぎは食堂を出た。

「兄さん、居住区はいかがでしたか?」
「(この質問、サフィールで二度目…)あ、ああ…。地球のような場所でそのままこの世界に来たものだったせいか、セレニティが意外と物知りだと感じた…」
「(それって、兄さんが世間知らずなだけでは…?)…そうですか」

「お待たせいたしました。ポトフでございます」

「いただきます」
デマンドとサフ ィール、兄弟の声がそろってスプーンでスープをすくって飲んだ。

「おいしいですね」
「ああ。(タキシード仮面にエスメロード…。一体何の用があってここに来たというんだ…?)」

「兄さん、わかっているかもしれないけどお姉さんには言わない方が賢明です」
「ああ。わかっている…」
その頃、うさぎはお風呂で髪の毛を洗い終わったところだった。
「ふぅ…。(髪が短いとシャンプーって楽なんだなぁ…)」

すでに体を洗っていたうさぎは浴槽に入った。

(まもちゃん…。どうしてお城に来たんだろう…?デマンドと結婚しても、あたしのことが好きで忘れられないのかな…)

うさぎの目から涙がこぼれた。
(ダメよ、まもちゃん。あたしにはデマンドとアロンとマナがいる…。だから…、あたしのことは忘れてよ…!!)

その頃、デマンドとサフィールは夕食を済ませた後だった。

「ご馳走様でした」
「ご馳走様」

デマンドとサフィールは食堂を出た。

「一度、部屋に戻ります」
「ああ」

サフィールは部屋に戻った。
デマンドは窓から外の景色を眺めた。

(セレニティ…。城の前にタキシード仮面が来た時、涙ぐんでいた…。あの男にまだ気があるのか…?)
「…デマンド」
デマンドが振り向くとうさぎの姿があった。

「お風呂空いたよ」
「あ、ああ…。今日は色々と疲れただろう。ゆっくり休むといい」

「うん、ありがとう。お休みなさい」
「お休み」

うさぎは部屋に戻り、ドアを開閉した。

(もう寝よう。今日はいい夢見れるかな…)

うさぎはベッドに行き、眠りについた。

――ある少女と青年の会話である。

《まもちゃん、お風呂空いたよ》
少女は寝間着姿で長い髪の毛を乾かした状態だった。

《うさこは本当にきれいな髪の毛だな》
そう言って、青年は少女の髪の毛に触れて香りを感じた。

《本当?》
《ああ。本当だ》

《ありがとう。まもちゃん、大好きよ》
《俺もだ、うさこ…》

うさぎは目を覚ました。
「ん…。夢…」

隣にはデマンドが眠っていて、うさぎは抱きしめられた状態で眠っていた。
(デマンド…。あたしのこと、ずっと抱きしめてくれてたの…?)

うさぎはベッドから出た。
「ん…。セレニティ…」

デマンドも目が覚めた。
「あっ、おはよう。起こしちゃった?」
「いや、大丈夫だ」

「ごめん、着替えるからあたしが『いい』って言うまで向こう向いてて」
「わかった」

うさぎは着替えを始めた。

「セレニティ、朝の散歩をしないか?」
「…えっ、うん…。そうね…。行って…みようかな」

(セレニティは昨日から混乱しているのがよくわかる…。居住区では最初、明るく振る舞っていたがセーラーヴィーナスとの再会と城でのタキシード仮面との再会で心を乱している…)

「デマンド。いいわよ」
うさぎの着替えが終わった。

「ボヌールさんにデマンドと散歩するって伝えて来るね」
うさぎはドアを開け、部屋を出ようとした。

「…セレニティ」
「ん?」
「ボヌールに伝えたら、そのまま城の門の前に待っていてくれないか?」
「うん、わかった。着替えたらすぐ来てね」
「ああ」
うさぎは部屋のドアを閉め、ボヌールの所に行こうとした。
(デマンド…。あたしに気を遣ってくれたのかな)

「おはようございます、プリンセス」
ボヌールがうさぎに声をかけた。

「お、おはようございます。(びっくりした…)」
「あ、あの…。デマンドと朝の散歩をしたいんですけど、よろしいですか?」

「ええ、もちろんでございます。ですがあまり遅いと朝食が冷めてしまいますので、早めに帰って来てくださいね」
「はい。ありがとうございます」
うさぎはボヌールに頭を下げた。

「いえいえ、そんな…。では、お気を付けて」
「行って来ます」
「行ってらっしゃいませ」
ボヌールはうさぎに頭を下げた。

うさぎは城の門でデマンドを待っていた。
「(デマンド、まだかな…?)」

「あらあら、旦那様をお待ちかしら?お姫様」
そこにはエスメロードの姿があった。

「エスメロード!!」

エスメロードはうさぎの髪の毛が短くなっていることに気付いた。

「あら、あの長い髪の毛を切ったのね。失恋でもしたのかしら?」
「…っ!」
エスメロードはうさぎにとっては図星とも言える一言を放った。

SNSでこの小説を紹介

二次創作の他のリレー小説

こちらから小説を探す