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月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎとプリンスデマンド 35

「…うさぎちゃん!」
うさぎは立ち止まった。

「あたしもみんなもずっと友達だと思ってるし、大切な仲間だからね」
「…うん、あたしもだよ。今日は偶然だけど、美奈子ちゃんに会えてよかった。…みんなに会ったら『学校や夢に向かってがんばって』って伝えてね」

「…わかったわ」
「うん、今日はありがとう!」

うさぎは走って車に向かった。
美奈子はうさぎのことを黙って見ているしかなかった。

その頃、デマンドとボヌールは車の中にいた。

「そろそろお時間ですね」
「では迎えに…」

うさぎが走って車に戻り、ドアを開閉してシートベルトを締めた。

「…ずいぶん早かったな。迎えに行こうと…」
うさぎは泣きながら震えていた。

「セレニティ…?」
「いいから出してください!」
「…は、はい!」

ボヌールは車を発進させた。

「…泣くな、セレニティ。これ以上泣くと 目が腫れてしまうぞ」
うさぎの涙は止まらなかった。
「…プリンス。今はそっとしておくのです」
「しかし…」

「…ところで、プリンス。居住区はいかがでしたか?」
「地球のような場所でそのままこの世界に来たものだった。…あっ、だからセレニティが意外と物知りだと感じたのか…」
「クレープはおいしゅうございましたよね?」
「…あ、ああ」

「よかった」
うさぎはいつの間にか泣き止み、デマンドの方を見ていた。

「セレニティ…。大丈夫なのか?」
「うん…。大丈夫。クレープ、気に入ったんだね」
「あ、ああ…。今度、城のシェフ達に作ってもらうよう頼んでみるか」

「本当?ありがとう!」
「(食べ物の話だと元気だな…)」
「どうしたの?」
「い、いや。なんでもない」

「城に着きましたよ」
ボヌールは城に車を降ろした。

「ありがとうございました!」
「また頼むぞ」
「はい、お疲れ様でした」
デマンドとうさぎは車を降り、ボヌールは車を移動させた。

デマンドとうさぎは手をつないで城に入った。

「セーラームーン、月野うさぎに会わせてくれ!」
そこには門番の男に頼み込んでいる衛の姿があった。
「なんだ、何事だ!?」
「(まもちゃん…!!)」

「5分ほど前にここに来て、プリンセス・セレニティに会わせてくれと言っているんです」
「(…くっ…。またしても…)」

「まもちゃん…」
うさぎは涙ぐみながら衛の所に駆け付けた。

「うさ…こ?」
「久しぶりだね、まもちゃん…」

衛は髪を切ったうさぎを見るのは初めてだった。

「髪…切ったのか」
「うん…。まもちゃんが好きなあたしの姿はどこにもないでしょう?」
「そんなこと…」
「心のどこかで引っかかっていたの。『自分の髪型は変なのか?』って…。だったら切ってみようかなって」
「…うさこ…。短い髪も似合って…」

「もういいか?セレニティ」
デマンドが割って入った。

「う、うん…」
「いきなり押しかけて来て、悪かった」
そう言って、衛は城を後にした。

「(まもちゃん…)」
「セレニティ、早く中に入ろう」
「う、うん…」

デマンドとうさぎは城の中に入った。

「お帰りなさいませ。プリンス、プリンセス」
運転手のボヌール がスーツを着てデマンドとうさぎを出迎えていた。
「ただいま」
「ボヌールさん!?えっ、さっきは運転手さん…でしたよね?」
「運転手の他にこちらの執事もやっておるのですよ。セレニティ」
「そ、そうなんですか…。(車を入れに行って、先回りしてから着替えて…。まるで忍者みたい…)」

「もうすぐ夕食のお時間です。お席にお付きください」
「は〜い。今日のご飯は何かな〜?」

「兄さん、少しよろしいですか?」
サフィールがデマンドに声をかけた。

「どうしたんだ?サフィール」
「僕の部屋で少し話をしたいんです」

サフィールは髪を切ったうさぎをちらりと見た。

「…お姉さん、髪、切ったんですね。似合っていますよ」
「あ、ありがとう…。(なんか…、サフィールに話しかけられたのって久しぶりな気がする…)」

「ボヌール、夕食は後で兄といただきます」
「わかりました。では後ほど、ご用意いたします。…プリンセス、食堂へ行きましょう」
「はい」
うさぎとボヌールは食堂に向かった。

「兄さん、僕の部屋へ」
「ああ」

サフィールの部屋に着いたデマンドとサフィール。
「さっきタキシード仮面が来ていましたよね?」
「それがどうした。未練がましい男を城に入れて、セレニティに会わせる必要などないだろう」
「タキシード仮面が城を出ようとした時、エスメロードの姿があったんです」
「エスメロード!?(…そういえばセレニティの出産前後、エスメロードの姿は見ていない…)」
「タキシード仮面が城の門を出てすぐ、帰ってしまいました。今まで姿を現さなかったエスメロードが気になったので、ご報告いたしました」
「…そうか、ありがとう」

デマンドとサフィールは部屋を出た。

「兄さん、タキシード仮面とエスメロードには警戒しないといけないですね。何か…嫌な予感がします」
「ああ、わかっている。…食堂に向かおう。腹が減った」
「は、はい…(兄さんの口から『腹が減った』なんて…)」

デマンドとサフィールは食堂に入った。

「ご馳走様でした!」
うさぎの元気な声が聞こえた。

「デマンド、サフィール。今日のご飯、ポトフだよ」
「そ、そうか…。(相変わらず食べるのが早いし、好きだな…)」

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