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月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎとプリンスデマンド 34

「…ありがとう」
デマンドはクレープを受け取った。

「いただきまーす」
「いただきます」
うさぎと運転手はクレープをおいしそうに頬張った。

「おいしいね」
「はい!」
デマンドは二人が食べている様子を見て少し驚いている。

「クレープは…そのように食べる物なのか?」
「うん、そうだよ」
「左様でございます」

「…そうか…。いただきます」
デマンドはクレープを小さく一口食べて、よく噛んでいる。

「…うまい」
「そうでしょ。よかった!」
うさぎはデマンドに満面の笑みを見せた。

「…本当にうまいな」
デマンドはうさぎの笑顔を見た後、黙々とクレープを食べ続けた。

「ん?この先はどう食べればいいんだ?」
「クレープの包み紙を少し破って、回していくと最後まで食べられるんだよ」
うさぎは自分のクレープでデマンドに実演して見せた。

「こ、こうか?」
デマンドはクレープの包み紙を少し破って、回していった。
「うん、そうそう」
「(本当だ…。うまくできているんだな)」
デマンドはクレープを再び口にした。
「クレープおいしかった〜。ご馳走様でした」
うさぎはクレープを食べ終え、アイスティーを口にした。

「(セレニティ、食べるの早いな…)」
「それはよかったです。連れて来た甲斐がありました。ご馳走様」
運転手もクレープを食べ終えた。

「…その食べた後の包み紙はどうするんだ?」
「紙はあの燃えるゴミって ゴミ箱に捨てるんだよ。その隣は今飲んでるアイスティーのコップと蓋とストローを捨てるプラスチック専用のゴミ箱で、氷と飲み残しはプラスチック専用のゴミ箱の上の穴の所に捨てるんだよ」

「…ずいぶん詳しいんだな」
「え?そう?(ゴミ箱に書いてある通りに言っただけなんだけどね…)」
「ご馳走様。なかなかうまかった」

「うさぎちゃん!?」
うさぎは声がする方向に目を向けた。

「美奈子ちゃん…。久しぶりだね」
美奈子は長くてお団子頭のうさぎの髪が短くなっていること、前髪の内巻きカールがなくなっていたことに驚いていた。
「うさぎちゃん…」
「プリンセスのお知り合いでございますか?」
「はい…。あたしの友達であり仲間のセーラーヴィーナスです」

「初めまして。セーラーヴィーナスこと愛野美奈子です」
「あなたがあのセーラー戦士の一人でおられるのですね。…これは失礼、申し遅れました。私は城の運転手をしております、ボヌールと申します」
運転手の名前はボヌールという。

「ど、どうも…」
「えーっ!?運転手さんってボヌールっていうの!?」
うさぎは驚いて思わず立ち上がった。

「自己紹介もせず、申し訳ありませんでした」
「いいえ、あたしもずっと運転手さんの名前を聞きたいと思ってたんです。ボヌールさんっていうのね」

蚊帳の外のデマンドが口を開く。
「セレニティ、そろそろ帰らないか?城の者達が心配する」
「えっ…。(せっかく美奈子ちゃんと会えたのに…)」

「…プリンス、せっかくの友人との久々の再会なのですからお話をさせてあげてもよろしいのではないでしょうか?」
「……」
「ダメ…?」
「…わかった。ボヌール、30分後にセレニティを迎えに行こう」
「かしこまりました。…では、ごゆっくり」
デマンドとボヌールは一度車に戻ることにした。

ボヌールが機転を利かせてくれたことで、うさぎと美奈子は少しの間だが話をする機会ができた。

「美奈子ちゃん、さあ、座って座って」
「う、うん…」
美奈子はうさぎの隣に座った。

「…うさぎちゃん…。髪切ったのね」
「う、う ん…。今はお城にいるし、戦う必要もなさそうだし気分転換にいいと思って」

《ねぇ、うさぎちゃん。気分転換に髪型でも変えてみたら?》
美奈子はかつて自分が言ったことを思い出した。

「本当に…理由はそれだけなの?」
「…うん」
うさぎの目から涙がこぼれた。

「…うさぎちゃん、ごめん。変なこと言っちゃったね」
「…ううん、いいの」
うさぎは涙を拭った。
「…他のみんなはどうしているのかな。元気かな?」
「亜美ちゃんはお医者さんになるために勉強してるし、レイちゃんは占いを活かして働いているし、まこちゃんは料理やお菓子作りが得意だから誰かが元気になれるようなことをしたいんだって」

「(…みんなも自分や誰かのためにがんばってるんだ…)」
「あたしはアイドルかな。世界中の人達に夢や希望を持ってもらえるような人になりたいの」

「そっか…」
「うさぎちゃん、これ。誕生日と出産祝いも兼ねて、プレゼント」
美奈子はうさぎにプレゼントを渡した。

「これ、ホログラムメッセージカードっていうの。カードを開けると送ってくれた人の姿が出て来てメッセージを話してくれるの。あたしの分と亜美ちゃん、レイちゃん、まこちゃんの分もあるからいつでも見てね」
「…もしかして、あたしに会えるまでずっと持ち歩いてたの?」

「うん、これで少しでも元気になれるといいと思ってる」
「…美奈子ちゃん、ありがとう。…そろそろ戻らないと。デマンドとボヌールさんが待ってる」
うさぎはデマンドとボヌールが待つ車に戻ろうとした。

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