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月野うさぎとプリンスデマンド
官能リレー小説 - 二次創作

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月野うさぎとプリンスデマンド 33

車は城の上ほどまで浮かんだ。

「えっ、浮くの!?」
うさぎは浮かんだ車に驚いた。

「では、発車しますよ」
デマンドとうさぎを乗せた車が発車した。

「驚いたか?セレニティ」
「え、ええ。空を浮かぶ車なんて初めて…」

「プリンセス・セレニティのことは存じ上げておりましたが、あの長く結った髪を切ったいうことでかなり見違えてしまいましたよ。何かあったのですかな?」
「えっ。そ、それは…」

うさぎは『衛のことを忘れるために髪を切った』とは言えなかった。

「私は気分転換のために髪を切ったと聞いているぞ。そうだろう、セレニティ?」
「は、はい」
デマンドは気を利かせてうさぎの代わりに答えた。

「そうですか、短い髪もなかなかお似合いですよ」
「あ、ありがとうございます」
うさぎはヘアスタイルを変えただけで褒められるのは初めてだったせいか、少し照れていた。

《女の子って髪型を変えただけでも、ずいぶん気持ちが変わるものなのよ…》
うさぎは美奈子に髪をとかしてもらっていた際に言っていた言葉を思い出していた。
「(美奈子ちゃん…)」

「もうすぐ居住区に着きますよ」
「なるべく人目に付かない所で降ろしてくれ。大騒ぎになるのを防ぐためだ」
「か、かしこまりました」

運転手は人目に付かない所に車を降ろした。

「2時間後にまたこの場所に来てくれ」
「かしこまりました。プリンス・デマンド、プリンセス・セレニティ。楽しんで来てください」
「はい、ありがとうございます。…あっ。せっかく居住区に来たのだから、どこかで休んではいかがですか?」
「あ、はぁ…。しかし…」
「セレニティの言うことも一理ある。今から2時間ほどで戻るからどこかで休むなり、見物しているといい」
「あ、ありがとうございます!」

運転手はデマンドとうさぎに頭を下げ、3人とも車を降りた。

「(ここが…居住区。みんなが住んでいる場所…)」
「セレニティ、行こうか」
「…うん」
うさぎのお腹が鳴った。

「ごめん、お腹…空いちゃった」
うさぎは照れ臭そうに言った。

「でしたらこの先に今話題のクレープ屋があるので、ご案内しましょう」
「クレープ?」
「やったあ!早速ご案内よろしくお願いしまーす」

3人はクレープ屋に向かうことにした。

「だからクレープとはどのような物なのだ?」
「えっ、デマンドってクレープ食べたことないの!?」
「…初耳だ」

「うーん…、なんて言えばいいのかな。おやつにもなるし、食事にもなるような物?」
「(全然わからん…)」

「クレープはですね、小麦粉・牛乳・鶏卵などを合わせて溶いたゆるい生地を薄く焼いた物でございます。生クリームやフルーツ 、ジャム、チョコレート・ソース、アイスクリームなどを包み込んで菓子として食べる場合と、ハム、鶏肉、チーズ、野菜等を包みこんで軽食として食べる場合があるのです」
「そ、そう!そうなのよ」

話をしている間にクレープ屋に到着した。
デマンドはクレープ屋の大きな看板と地面に立てかけてある、おすすめメニューをじっと見つめている。
「…『おすすめメニュー』?ここに書かれている物を買って食べろというのか?」
「あくまで『おすすめ』なので強制ではありませんよ。クレープが初めてでしたらシンプルなメニューもございますよ」
「だったら、バターと砂糖がかかってる『シュガーバター』がいいんじゃないかな。あたしは『フレッシュフルーツ』にする!」
「私は『バナナチョコ』にいたします。もちろん、お二人にもご馳走いたします」
「本当ですか?ご馳走になります!」

「ん?飲み物も売っているのか…」
「はい、ドリンクセットになさるとお安くいただけますよ。私はアイスティーにしますが、プリンセスは何をお飲みになりますか?」
「あたしもアイスティーにします。デマンドもアイスティーでいい?」
「ああ」
「今一緒に注文して来るから、あのテラス席で待ってて!」
「テラス席?あれか…」

デマンドはテラス席に向かい、椅子に座った。
「(これがテラス席か…)」

「デマンド〜」
うさぎと運転手はデマンドのいるテラス席に戻って来た。
うさぎの右手にはアイスティー、左手には3番と書かれた番号札を持っている。運転手は両手にアイスティーを持っている。
「はい、アイスティー」

うさぎはデマンドにアイスティーを渡した。
「…ありがとう。クレープとやらは?」
「今焼いてるから番号札をもらって来たんだよ。クレープは全部手作りだから時間がかかるの」
「(手作り…)」

「クレープを待っている時間もまた最高なのよね」
「(…最高?)」

「3番の番号札をお持ちの方〜。お待たせしました〜」
女性店員の声が聞こえた。

「あ、出来上がったみたい。クレープ取って来るね」
「私も行って参りますので、少々お待ちください」
うさぎは番号札を持ち、運転手は手ぶらでクレープを取りに行った。

「(やはりここ、居住区は地球と何ら変わりのない世界のようだ。城の中にいるより、セレニティも生き生きしている…)」

「お待たせ〜」
うさぎと運転手が戻って来た。
うさぎは右手に『シュガーバター』、左手に『フレッシュフルーツ』を持っている。
運転手は『バナナチョコ』を持っている。

「はい」
うさぎはデマンドにクレープを渡した。

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