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まぶらほ
官能リレー小説 - 二次創作

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まぶらほ 33

「もぐもぐ・・・玖里子さん近頃朝起きる時間が遅くなっていますよ?もう少し早く起きられませんか?」
「もぐもぐ・・・仕方ないでしょうあたし朝弱いのよ・・・それに毎晩和樹が中々寝かせてくれないんだもの・・・」

ピシ!

玖里子の言い訳を聞いた瞬間、何故だか分らないが凛の持っていたコップに亀裂が走る。
「そんなの私も同じですけどちゃんと起きれてますよ?こういうのは日々の習慣が大事なんですから・・・」
「分るけど朝起きた時和樹の匂いと体温に包まれてると、どうしても起きる気にならないのよね」
「ああ、それは分ります・・・私も朝起きた時。隣に和樹さんの可愛らしい寝顔が在ると、このまま時が止まってくれれば良いのにとよく思いますから」

ピシ!

今度は凛の持っていたお茶碗に亀裂が走る。
「そうなのよね・・・一晩中愛し合った次の日の朝に隣で寝てる和樹の身体を抱き締めながら、昨夜のエッチの余韻に浸るのって最高の気分なのよね」
「ハイ・・・ある意味エッチの最中よりも、自分が和樹さんの事を愛しているのを感じる事が出来ますよね」

バキ!

遂には凛の持お箸が真中あたりで折れ曲がり、二つの箸が四つに分かれる。
「あの・・・二人ともその辺で勘弁して・・・お願い・・・」
当事者としては夕菜と玖里子のラブラブトークは、恥ずかしさと共に嬉しさも感じるが、それ以上に二人の言葉を聴けば聞くほど、無表情のまま無言で強まっていく凛の殺気に、和樹の生存本能は恐怖に震えている。
「・・・ごちそうさま・・・お先に失礼します・・・」
凛は一人真っ先に食事を終えると、自分の食器(の残骸)を持って部屋を後にする。
「あ、ああ、うん・・・行ってらっしゃい・・・」
「行ってらっしゃい凛さん!!」
「行ってらっしゃい!」
凛は三人の挨拶を聴くと、無言で少しだけ頭を下げ、一足先に学校へ向かう。
そんな凛の背中を和樹は悲しみに満ちた眼で見つめていた。
「凛さんまだ意地を張ってるみたいですね・・・」
「あの娘は潔癖な所が有るからね・・・まだ、和樹が自分だけじゃなく、あたしと夕菜ちゃんにも手を出してたのを怒ってるんでしょう」
「私も別に許した訳じゃないですよ・・・でも、それでも私は和樹さんが好きなんですから仕方ないじゃないですか・・・」
「そうね。あたしもそう・・・だぶん凛も同じだと思うわ・・・」
夕菜と玖里子は和樹に聴こえないほど小さな声でそう話し合う。
「アタシとしては恋のライバルがこのまま一人消えてくれるのはありがたいんだけど・・・」
「でも、このまま凜さんと仲違いしたまま終わっちゃうのもなんだか・・・」
「そうよね・・・下手したら、凜の心は傷ついたまま一生苦しむ事になるかも知れないわね・・・和樹も・・・」
玖里子は凜の出て行ったドアを横目で見ながら憂慮する。
「ハァ〜仕方がない・・・凜と・・・何より和樹の為だもの・・・多少強引だけどお姉さんがなんとかしてあげましょう」
「?」

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