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まぶらほ
官能リレー小説 - 二次創作

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まぶらほ 32

そんな若い雌雄の性交を聞き耳を立てて聴いている人間が居た。
(ああ・・・玖里子さんも、夕菜さんもなんて破廉恥な・・・)
和樹の三股の解決策として四人での共同生活を始めた彼女達だったが、どうしても素直に成れない凜は、和樹を巡る恋愛レースにおいてすっかり置いてけぼりにされていた。
「くっ、んんんっ、ん」
幼少の頃から退魔士としての修行を重ねてきた凜は大変耳が良く、部屋は離れているとはいえ、同じ家に居る以上、愛する少年とライバルたちの性交の様子は、彼女には細部に至るまで丸聴こえだった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
愛する男の漏らす快感の吐息を聴いていると、否応なく性感が高まってしまうのは女の性の悲しさだ。
凜は内心イケナイと思いつつも、三人のセックスの様子を全身を耳にして聞きながら、毎晩のように虚しくオナニーをしてしまう。
「んんっ、はあっ、はあっ」
凜は目を閉じ、愛する少年の吐息を貪るように聞きながら、夢中で指を躍らせる。
白い肌着を捲くり上げ、健康的な乳房をじかに揉みし抱き、純白のショーツの中に手を入れ、秘部に直接指を這わせていく。
背徳感や罪悪感は、時として女を昂らせる媚薬の役割を果たすものらしい。
愛する男が他の女とセックスしている音を聴きながら、凜はただただ惨めな一人遊びに興じる。
「うぅっ」
「あああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!」
愛する男の小さな呻き声が聴こえ、次の瞬間熱い白濁液を注がれているだろう夕菜のひときわ大きな嬌声が聴こえてくる。
「くぅぅぅぅ・・・」
股間に当てた手を両膝でギュッと締め付けながら、凜は奥歯を噛み締め絶頂を迎える。
「・・・最低だ私は・・・」
愛する男が他の女とセックスしている音をオカズにオナニーしてしまったのだ。
一人の女としてこれほど惨めな状況はそうは無いだろう。
まして凜のように潔癖でプライドの高い少女なら尚更だ。
凜は自己嫌悪のあまり瞳から涙さえ流している。
「はぁっ、はぁっ、あン!あぁっ!あぁッん!!」
(し、式森の奴また・・・)
どうやら絶頂を迎えたにも関わらず、和樹と二人の娘達の性交はまだまだ終わらないようだ。
和樹たちの部屋の方から再び少女の喘ぎ声が聴こえてくる。
(だ、ダメなのに・・・こんな事してはイケナイのに・・・)
「くっ、んんんっ、ん」
そしてその音を聴いた凛もまた、惨めさと自己嫌悪で涙を流しながらも、高まる熱と疼きに堪えきれず再び自らの股間に手を伸ばしてしまうのだった。

「お、おはよう凛ちゃん・・・」
「・・・」
四人での共同生活が始まって半月。
未だに凜は家で顔を合わせても挨拶一つしてくれず、ただ汚らわしい物を見たとでも言うように、無言で目を逸らす。
(ううう・・・やっぱりまだ怒ってるんだ・・・そりゃそうだよな・・・)
和樹はその度に微かな胸の痛みを感じつつその悲しみに耐える。
「和樹さん!もうご飯出来てますから早く座って下さい!学校に遅刻しちゃいますよ!!」
「う、うん。分った」
エプロン姿の夕菜に急かされるまま和樹は自分の椅子に座り、置いてあるお箸を手に取る。
「和樹さん!玖里子さんを起こしてくれましたか?」
「うん・・・そろそろ下りて来ると思うよ」
その言葉通り、最後の同居者である風椿玖里子が、眠たげに目を擦りつつ二階の部屋から降りて来る。
「うー・・・おはようみんな・・・ふファ〜・・・」
「全員そろいましたね!では、朝食を始めましょう!!」
この家では食事はなるべく全員が揃ってから食べる事に成っている。
『お料理はみんなで食べないと美味しくありませんから!!』
という夕菜の主張の為である。
「いただきます!!」
「「「いただきます・・・」」」
夕菜の挨拶を合図に和樹たちは次々にお箸を手に取りテーブルの上の料理をつついていく。

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