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まぶらほ
官能リレー小説 - 二次創作

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まぶらほ 19

「あら、和樹、夕菜ちゃん。相変らず、仲が良いわね」
不意に背後から聴き慣れた声がして、和樹の心臓がドキンと大きく跳ね上がった。
振り向くと案の定、其処には風椿 玖里子(かぜつばき くりこ)が立っていた。
「あっ、おはようございます玖里子さん!」
夕菜は年上の友人の登場に何時ものように笑顔で挨拶を返す。
「お、おはようございます玖里子さん・・・」
和樹はとっさに自分の腕に絡ませていた夕菜の腕を外し、どもりながら頭を下げ挨拶をする。
そんな和樹の様子に玖里子はにこやかにほほ笑んだ。
以前の玖里子は、笑顔の中にも何所か張り詰めたような冷たさが感じられたのだが、今はそんな事は無くなり、雰囲気が柔らかく成っていた。
そのせいで魅力に一段と磨きが掛ったように思える。
もっとも、二股掛けている和樹にとって、彼女たちが会話するのを見るのは、これ以上無い程心臓に悪く、以前よりもずっと綺麗に成ったと評判のその微笑みも、美しい牝豹か牝ライオンが獲物を前にして笑みを浮かべているように感じられた。
「ねえ、夕菜ちゃん。悪いけど和樹にちょっと話が有るの・・・少しだけ借りて良い?」
「ええ、良いですけど・・・和樹さん。私、先に行ってますから、話が終わったらスグに来て下さいね」
そう言うと夕菜は、一人でスタスタと廊下を歩いて行く。
「あっ、夕菜。ちょっと!」
とっさに引き留めようとする和樹の腕を玖里子は強引に掴む。
そして、豊満な胸に和樹の腕をグイッと押し付けると、耳元に唇を近付ける。
「ご主人様ぁ・・・私、今躰が熱くて堪らないの・・・悪いけど例の部屋に連れて行ってくれませんか?もちろん、二人っき・り・で」
彼女の言葉の意味は考えるまでもないが、学校の廊下で突然そんな事を言われても、返答に困ってしまう。
「えっ・・・あの・・・その・・・」
和樹のその反応を見て、玖里子は楽しそうに笑う。
「うふふ・・・ホント、和樹って可愛いわね。エッチの時は、あんなに強引なのに」
「く、玖里子さん・・・」
年上の恋人のからかいの言葉に、和樹の頬は自然と熱くなる。
「それはともかく・・・ねえ、お願いですご主人様ぁ・・・この縄が玖里子の身体をギュウギュウ締め付けてもう耐えられないんです・・・ご主人様の手で解放して下さいませ」
玖里子は和樹の耳元で甘い声でそう囁くと、制服の胸元を軽く引っ張る。
すると其処には、まるでブラジャーの代わりとでもいうように、白く豊満な胸に食い込む縄が、彼女の胸を卑猥に飾っていた。
「ゴク・・・」
(く、玖里子さんったら、どこまで淫乱なんだ?夕菜や凜ちゃんもかなりのモノだけど、玖里子さんは頭一つ飛び出てるぞ・・・)
初めてのあの日レイプ同然に処女を奪われた玖里子は、あの一件で完全に目覚めたのか、事ある毎に和樹を求めるように成っていた。
お蔭で生徒会が管理している例の教室は、二人が秘め事を楽しむ為の部屋と化していた。
「ねえ、和樹ぃ・・・」
玖里子の淫靡な誘に、和樹の理性はアッサリ白旗を上げる。
「わ、分かりました」
「うふふ・・・ありがとうございますご主人様」
心の片隅でお弁当を持って自分を待っている夕菜の姿が浮かんだが、目の前に在る極上の肉の誘惑に、逆らう事は出来なかった。

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