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宮野志保≠シェリー
官能リレー小説 - 二次創作

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宮野志保≠シェリー 10

例えば彼は嫌がる私と無理矢理交わるのを好んでいうようではあったが、それは心のどこかで私が彼を求めた時だけに限った。
恥ずかしい事に私は、人の命を何とも思っていないような男に安らぎを求めたのだった。
一人一日中研究室に篭りっぱなしの私は、恐ろしい事に孤独である淋しさを彼で癒そうとしたのである。
今思えば、あれは彼なりの私に大しての思いやりだった。
孤独に耐え切れなくなった時私は彼からの、力任せに押し倒され、衣類を剥ぎ取られ、無理矢理身体中を愛撫され、彼自身に突き上げられると言う行為を望んでいた。
彼は私の気持ちに答えただけに過ぎない。
彼は本当に手加減せず乱暴に私と交わったが手を上げたりはしなかったし、それは強姦によって無理矢理植え付けられる強い快感を望んだ私に、実は一番の問題があったのだ。
だから本当の意味で私は、驚いた事に無理矢理彼に抱かれたと言う事はなかった。
私が本気の抵抗を見せれば彼はそれ以上の事はして来なかったし、寧ろ一晩中ただ私を抱きしめてくれていた。
次第に私は、この残酷非道な彼に心を開いて行った。

そんな関係が幕を閉じたのは、私のただ一人の姉が殺された事を知った時だ。


防音設備の施された畳み六条程のガス室に、手錠で繋がれ私は綴じ込められた。
姉の死に彼が関わっている事を知った私は今朝研究を中止し、その結果反逆と見なされた。組織に対しての裏切り行為に当たる為、この部屋で私の処分――つまり、処刑待ちをしている所である。
この部屋に綴じ込められてどれ程の時間が経ったのだろう。
ふと、外に人の気配を感じた。やがて唯一のドアが開かれ、彼と数名の男達が入って来た。
私は顔を上げなかったが、彼から猛烈な殺気を感じる事と男達の存在とで、これから自分がどうされるのか察した。
私の脳裏に、以前彼が私に見せしめのつもりで連れていった薄暗い部屋と、そこで泣き叫ぶロゼと言う名の彼女の姿が蘇る。
これから自分があの運命を辿るのかと思うと、身体が恐怖で震えた。
しかし、私には覚悟はできていた。
私は幼い頃に両親を亡くし、物心付いた頃から既に組織の研究室にいた為、友達と言うのも一人もいなかった。
そんな私にとって姉は、唯一の身内であり唯一の――友人でもあったのだ。
姉の輝くような笑顔に何度励まされた事だろう。私は姉をとても愛していた。
そんな姉を、彼は、組織は殺したのだ。
今まで研究を続けて来たのは、私にはそれしかないと思っていたのと同時に、姉を人質に取られていた事もある。
私がもしも研究を拒否すれば、組織は姉に何をするか分からない。私が研究を再開するまで姉に、殺しはしなくても気が狂う程の拷問を施していただろう。
だから私は自分をただの研究者だと思い込んで、自分の研究テーマは組織が決めた事だから仕方がないと、何も知らないふりをして研究を続けた。
それがどれ程罪深い事なのか分かっていながら、わざと目を逸らして、ただ組織の言う通りに行動して来た。
……それなのに――。

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